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相場師一代 是川銀蔵 感想

相場師一代 是川銀蔵を読んでみた

主に昭和を中心に活動した投資家是川銀蔵さんの本相場師一代を読んでみた。是川銀蔵さんは株式投資の世界で最後の相場師と呼ばれる伝説の人なのだそうだ。

Photo by Christine Roy on Unsplash

若くして酢いも甘いもな経験をしつつ、ビジネスで成功し、その後株式投資の世界に身を置いて日本セメントや同和鉱業、住友金属鉱山不二家などで、個人投資家としては信じられない数十億単位の額の取引を行い、長者番付1位にもなって世の中を賑わした人だとのこと(実際は税金でほとんど持ってかれて手元にお金はほとんど残らなかった様子だが。)。

 

若干自慢話っぽいところもあるけれども、激動の時代を途中でドロップアウトすることなく生き抜いた人のビジネスについての考え方・株式投資についての考え方は非常に興味深く読めた。

 

筆者の投資原則は以下の2つだとのこと。

 

1つ目はカメ三原則

 

1.銘柄は水面下にある優良なものを選んでじっと待つこと

2.経済、相場の動きからは常に目を離さず自分で勉強する

3.過大な思惑はせず、手持ち資金の中で行動する

 

次が投資五か条

 

1.銘柄は人が奨めるものではなく、自分で勉強して選ぶ

2.二年後の経済の変化を自分で予測し大局観を持つ

3.株価には妥当な水準がある。値上がり株の深追いは禁物

4.株価は最終的に業績で決まる。腕力相場は敬遠する

5.不測の事態などリスクはつきものと心得る

 

冒頭で筆者は“株で成功することは不可能に近い”と警告している。

 

一方で続けてこうも書いている。

 

“確かに株を利用して一定の利殖をするということはまったく不可能というわけではない。それは至極真面目に株というものをとり扱い、着実な方法で利殖の材料にすればできないことはないということだ。しかし、株により巨万の富を得、大金持ちになって豊かな生活がしたい、という目的でやったら必ず失敗する。”

 

筆者にしてこう言わせるほど、株式投資って難しいものだと承知して取り組まなければならないのだろう。

 

この本を読んで改めて、国内・世界の経済の理解、為替の理解、個別企業の情報収集が高いレベルで必要なのだと理解した。筆者は圧倒的な学習によってマクロの動き、ミクロの動き、為替の動き等々を連関させて世の中がどう動くのか、ということを精度高く予想しながら投資ができるようになったということなんだと理解した。伝説の相場師から株式投資が学べる本。なかなか面白かった。何度も読んでみたいと思う。

本日の一文 P243

(同和鉱業株への投資の失敗について言及した場面で、投資の危険の負担を軽くするための手段について語った部分)そのためには最初に決めた判断で満足することだ。欲に惑わされたり、もっともらしい理屈をこねたりせず、己の分を知ることだ。いわば投資は人生の達人にも相通ずるものなのである。技法としての相場戦術には限界がある。そのことを相場道では知らなければならない。

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