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気弱な人が成功する株式投資 感想

気弱な人が成功する株式投資 岩崎日出俊を読んでみた

著者の岩崎さんはスタンフォード経営大学院を経て、J・Pモルガンやメリルリンチ、リーマン・ブラザーズ等の投資銀行に勤務した後で経営コンサルティング会社を創業した人だとのこと。日経系のメディア等でもかなり露出している様だ。

本書は、著者がフィリップ・フィッシャーをメインに、ベンジャミン・グレアムウォーレン・バフェットピーターリンチ等の投資についての考え方を引用しながら、”気弱な人でも成功できる“株式投資の方法論を語ったものだ。

*ちなみにウォーレン・バフェットもフィリップ・フィッシャーからも多大な影響を受けているとのこと(P4あたり)

私自身上記の人々の名前は知っていたものの理論まであまり把握できていなかったのでかなり参考になった 。

 

以下、読みながらマークしたところを簡単に引用してみたい。

 

第1章 気弱な人の情報の取り方

P17

(バフェットの投資について説明した部分)バフェットは多くの場合弱気相場の間に大胆な投資を行ってきている

 

P38

(フィッシャーの投資について説明した部分)要は証券会社や投資銀行株式アナリストたちの言葉に惑わされることなく、現場から情報を取れということなのだ

アナリストたちのフィルターを通した、濾過された情報ではなく、できるだけ生の情報を多面的なソースから手に入れろ、とフィッシャーは主張したのである。

企業の本質を見極めるために決算書を丹念に見る事は重要だが、数字だけでは表現しきれないものがある。そのためには対象企業のステークホルダーへのヒアリングが大切だと説いたのだ。

P40

フィッシャーは一旦投資した以上、3年間は持つという3年ルールを堅持した。3年ルールには同時に、3年経っても自分が思ったような結果を投資先が生まない場合は、その時点で売ると言う意味も含まれていた

 

P42

フィッシャーの15原則

①その企業は十分な潜在力を持っているか。少なくとも数年間にわたって売り上げを伸ばす製品・サービスがあるか

②業績を牽引する製品・サービスの次に向けた一手を打っているか

③研究開発が成果を上げているか

④強い販売網・営業体制があるか

⑤利益率が高いか

⑥利益率の上昇・維持に対する取り組みができているか

⑦労使関係は好調か

⑧幹部社員が能力を発揮できる環境か

⑨幹部社員は優秀な人材が多いか

⑩コスト分析や、財務分析を重視しているか

11競合他社に優る、業界で通用する特徴があるか

12短期的及び長期的な視野の収益見通しを立てているか

13既存株主の利益を損なってしまうような増資が行われる虞はないか

14経営者は問題発生時に積極的に説明しているか

15経営者は誠実であるか

 

P50

是川は各種資料を徹底的に分析し、そこから生じるだろう変化を先取りして、投資判断を下していった。その際心がけたのは情報の真偽を見抜くことだった。

 

P52

是川のカメ三原則

①銘柄は水面下にある優良なものを選んでいって持つこと

②経済・相場の動きからは常に目を離さず自分で勉強する

③過大な思惑はせず、手持ちの資金の中で行動する

 

是川の投資五カ条

①銘柄は人が奨めるものではなく、自分で勉強して選ぶ

②1・2年後の経済の変化を予測し大局観を持つ

③株価には妥当な水準がある。値上がり株の深追いは禁物

④株価は最終的に業績で決まる。腕力相場は敬遠する

⑤不測の事態などのリスクはつきものと心得る。

 

第2章 気弱な人の「買い」の極意

 

P65

ウォーレンバフェットは投資家は自分の得意分野に集中すべきと主張した

 

ピーター・リンチはいつも近所のスーパーマーケットで目にするような企業に関心を集中させていた

 

株式市場の全てを知ろうとするよりも自分が最も詳しい領域に集中すべきなのだ

 

P70

バフェットは株式を保有するということは、その企業を買収すること同じことだと見ていた。ある企業を買収しようと思わないのなら、その企業の株は1株たりとも保有しようとはしなかったのである。そしてそこまで投資対象の企業のことを理解するには、当然のこととして対象を絞って理解を深めるしか方法はないのである。

 

P80

(バフェットの言葉)必要なのは意思決定のための健全な知性とその知性による決断が感情によって左右されないことだと断じた

 

P95

(高値掴みを避ける方法について)

・社会全体が狂騒とでも言うべき熱気に覆われていないかどうかをチェックする

 

・第二の方法は買おうと思っている会社の株価をその会社の利益と比べてみる

 

P114

(バフェットの言葉)

わからないこと、わからないビジネスに投資をするようなことは、けっしてしてはいけない

 

第3章 気弱な人の「利食い」と「損切り」

 

P126

・・・今、今日の株価で同じ株を買うだろうか。ノーなら持っている株の売却を検討する、イエスならホールド(保有)となる

 

P130

なぜ損切りすることが重要かといえば、私たちが生活して行く上で二重に損をしないことが大切だからだ。たとえばつならない本を買ってしまったことがわかった時点で、あなたは本の代金分、損をしている。それでも手放せずにずるずると読み続けるのは、時間というもう一つのコストを失ってしまうことになる。お金を損した上に、時間まで二重に損をしてしまう。まずは、このことに気づくべきだ。

 

P136

・・・プロスペクト理論では、同じ額でも利益と損失では、損失の方がより印象に残り、人は損失を回避しようと行動を取る。

 

長期投資の骨太の方法論を学ぶことができて、非常に参考になった。

簡単ではないと思うけども、専業投資家たり得ない人間としては、企業研究をしっかりと行い、企業の状態を把握した上で、時間をかけて成長株を見分けることに集中することが大切だということがよく分かった(それなりに大人になると情報の真贋を見分ける目を持つことが何にもまして重要ということなのだろう。)。

 

巻末の注記の量も多く、広い情報源から力を入れて書かれた一冊であろうと推測できる(色んな書物に対する読書案内的な価値もありそうだ。)。

 

繰り返し読みたい一冊になった。ぜひ著者の他の書物も手にとってみたいと思う。

 

※付け加えると、著者のブログ(Hidetoshi Iwasaki's Blog - ココログ)もかなり面白かった。

 

本書で紹介されていたこのあたりの本も、機会が手に取ってみたいということで、紹介。

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Photo by Mark Finn on Unsplash