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折口雅博《「プロ経営者」の条件》と平野岳史《満天の星 フルキャスト物語》を読み比べてみた

本日はグッドウィルグループの元会長 折口雅博氏が執筆した《「プロ経営者」の条件》と、フルキャストグループの元会長 平野岳史氏が執筆した《満天の星 フルキャスト物語》をそれぞれご紹介いたします。

グッドウィルはジュリアナ東京の産みの親である折口氏が会長を務めた会社で、フルキャストは元フリーターの平野氏が神奈川進学研究会から出発し、起業の原点こそ違いますが、両社とも時代の流れに上手く乗り、それぞれの道を歩みました。

ディスコ

約10年前、どちらも短期派遣業界のナンバー1、ナンバー2と言われた最大手2社。この両社の事業を、良いか悪いかと聞かれると、一言で簡単に答えられないのが実情で、良い面も多々ありますが、派遣法違反による行政処分等のネガティヴな問題が複数あったのも事実です。両社とも行政から叩かれ、世間から叩かれ、それぞれ逮捕者も出て、グッドウィルにいたっては最終的に廃業となりました。しかしながら、それぞれの事業については別としても、両社代表の書籍からは学ぶところもあり、それぞれの色がたくさん出ています。特にグッドウィルの折口会長のセンターピン理論は多くのビジネスパーソンに影響を与えました。

nikkei BPnetの折口氏インタビューより一部引用します。

《事業を成功するためのポイントを「センターピン理論」と呼んでいます。ビジネスをボウリングに例えれば、成功はストライクです。ストライクを取るためには「センターピン」を外してはならない、という意味です。センターピン、つまり事業の本質が何かをきちんと見極めることができなければ、成功なんてできっこありません。例えば、ジュリアナ東京を運営していたときには、たくさんのディスコを見学に行きました。 〜略〜 ディスコは、満員で盛り上がっているからこそ楽しい。ディスコ事業のセンターピンは、「毎日、お客さんで満員にすることだ」と考えたわけです。それをふまえて、満員にするための仕掛けを考え、実際に成功しました。》
「プロ経営者」の条件
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●「プロ経営者」の条件目次 第1章 いつか、でっかいことをしたい 第2章 どん底からの再起 第3章 何が成功を呼ぶのか 第4章 ビジネスと社会貢献の両立 第5章 プロ経営者の発想と技術 第6章 挑戦者たちの社会を

またフルキャストは書籍の発売前後に世間への露出が一気に増え、プロ野球チーム楽天のスポンサー、フルキャストスタジアムのネーミングライツ進出など多くの話題をさらいました。フルキャストの書籍からは「人には、輝く場があり、その輝きは人を幸せにする」とフリーターのみならず、ビジネスパーソンにも勇気を与えるメッセージがこめられています。そして、元フリーター社長の平野氏の行動力と、前向きな意地、創業からの仲間が成功を呼び込んでいるのがよくわかります。理論派の折口氏か、人を大切にした平野氏か、判断はそれぞれかと思います。

当時の小泉政権下での規制緩和により、人材業界には製造業への派遣が可能となり、人材業には大きなビジネスチャンスが生まれました。どちらの会社も現在は当時と様相が全然違いますが、ある意味では、この書籍から当時の人材業界の起業バブルを垣間見ることが出来ます。

両社の残した爪跡は、人材業界の歴史を語る上では外せません。廃業前にグッドウィルは老人介護業にも進出し、フルキャストはスポーツエージェント業にも進出しました。

満天の星―フルキャスト物語
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●満天の星―フルキャスト物語目次 就職(「3年たったら辞める」つもりで就職へ 就職できなかったとしても、命を取られるわけじゃない ほか) ニートから起業へ(アパートの一室で夢を語った仲間たち 「笑っていいとも!」とともに目覚める生活 ほか) 新しいビジネス(焦燥感に苛まれて ビジネスモデルを模索する日々 ほか) フルキャスト(フルキャスト誕生 仕事の手配はすべて手作業の忙しい日々 ほか) 上場(中途半端な会社で終わりたくない ライバル会社に先を越された! ほか)

折口氏が書籍で語った有名な言葉を借りれば「原因があるから結果がある」との意味が、現在の両社を物語っています。人材業界は商材がモノではない以上、人には意識があり、どうその意識とうまく向き合うのか、その難しさを痛感させられますね。 @カイト

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2016年10月10日