第4回目を迎えました、マーケティングに使える心理学。
今回は、人間の中にある内なる欲求を刺激する心理テクニックをご紹介いたします。
それは「罰への欲求」
一見、マーケティング効果においてマイナスになってしまいそうなことでも、人間の深層心理を考えればプラスになってしまう。今回ご紹介するのはそう言ったテクニックです。
人は幸せでありたいもの、だけど。
人間というものは基本的に幸せでありたいと考えるものですよね。 これに反論はきっとないと思います。
「私は不幸の方が好きなの……」みたいな物語の登場人物みたいな人はあまり一般的ではないですよね。
ただ、同じく物語の登場人物の台詞でも「私、幸せ過ぎて怖い」ならどうでしょう。
先程も言いましたように、人は本質的には幸せを求めるもの、にもかかわらず幸せすぎて怖いというこの台詞。一見矛盾をはらんだセリフですが、これ、なんとなく同意できる人は多いのではないでしょうか。
そして実際、幸せ続きの時に小さな不幸せが発生すると、ちょっと安心してしまうことはないですか?
このように、よい事ばかりが続くと、つじつま合わせが起こるのではないかと思ってしまう心理。 さらには、よいこと続きの時に実際小さな悪いことが起きると安心する心理を「罰への欲求」と言います。
メリットだけだとなんか不安。
ではこれを実際のマーケティングに置き換えてみましょう。
ここに商品が一つあります、あなたはこれを売らなければなりません。
そうすると、あなたはその商品のメリットを羅列するはずです。
そして、こう結論付けるはずです「これだけいい商品なのですから、買ってください」と。
ところが、これが実は逆効果。 というのも人間は常に「罰への欲求」を抱えているからです。
先程も申しましたように、人は常に「いいことばかりが起こると不安になる」という心理を抱えています。 ですから、商品の説明にメリット表示ばかりが書いてあると、逆に裏を感じてしまうわけなんです。
俗にいう「うまい話には裏がある」というやつですね。
罰への欲求を満たしてあげる。
ではどうしたらよいのか、それは実は簡単な話で「デメリット表示」を行えばよいというだけなのです。
「この商品にはこのように数々のメリットがあります」と示したうえで「ただ、こんなデメリットもあります」とたった1つでも示すこと。
これによって「いいことばかりだと不安」なお客様に対し「いいこと続きの中ちょっとした悪いことがあるとホッとする」という心理を与えることが出来るのです。
つまり、潜在的な「罰への欲求」をデメリット表示で満たすことでお客様を安心させるというわけです。 さらにこれで信頼も勝ち取ることが出来るというわけですね。
いかがでしたか「罰への欲求」の効果。
その商品だけでなく、人間性やブランドイメージの向上にも役立つこの効果。 ぜひ活用することをお勧めいたします。
(Writer:Yasu Nagao)
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最終更新:2020年6月11日