テンション・リダクション効果とは?
第3回目を迎えました、マーケティングに使える心理学。今回は、人のちょっとした気のゆるみを使った心理テクニックをご紹介したいと思います。
これはどちらかと言えば、何か大きなものを買わせる力ではなく、追加で更なる出費を誘導するテクニックです。その名も「テンション・リダクション効果」。とても有益なテクニックですので、ぜひ覚えていただきたいですね。
緊張はマーケティングの敵。
出費というのは、いかなる人間にとっても、少なからずの緊張を強いる行動ですよね。
一般的なご家庭はもちろん、会社の資金を預かってそれを出費する人間であれば、その緊張度は小さくありません。
そして、マーケティングというある意味出費を求める行動において、この緊張というのは最大の敵となります。なぜなら、緊張は警戒と自省というものを人間に持たせてしまうからです。
緊張の切れ目を狙う。
とは言え、一般家庭でも会社においても、必要な物であれば大きな買い物は当然します。
たとえば、一般家庭においては「家」などがそうでしょう。人生で一番大きな買い物である「家」を購入するというのは、これは非常に緊張を強いられるものです。
ところが、これが「家」を買う契約が終了した直後ならどうでしょう。そうですね、人は、そのような大きな買い物が終わり、すべてが片付いた瞬間に必ず「ほっ」とするはず。
この「ほっ」こそ、マーケティングの最大の敵である緊張が解けた瞬間だと言えるのです。
そして、この緊張の継ぎ目こそが「テンション・リダクション効果」。この瞬間に、「電気給湯器を付けますか?」や「高級なカーペットを敷きませんか?」と言われると、ついつい買ってしまう。これが「テンション・リダクション効果」を使ったマーケティングです。
社会における実例
ではこの「テンションリダクション効果」が、ほかにどのように使われているかご説明しましょう。
なかでも、一番よく言われるのがamazonの「おすすめ」ですね。ひとつ何か購入すると、それに関連するものが「これも買いませんか?」とばかりに出てきます。
購入を決定するという緊張の直後に、その「ほっ」の瞬間を狙って更なる出費を求める.まさに「テンション・リダクション効果」の応用です。
他にも、車を購入した後にカーナビをすすめるのは間違いなくそうですし、少し身近に寄せれば、ファストフードの「ご一緒にポテト」も大きく解釈すればこの効果を利用しています。
いかがでしたか、緊張の継ぎ目「テンション・リダクション効果」の応用。使い勝手がよく応用範囲も広い効果ですので、ぜひ身につけることをお勧めします。
もちろんそのためには、最初の緊張を乗り越えて買わせるだけの商品がなくてはいけません。「ついでにもう一つ」を実践する効果であることを認識しておく必要がありますね。
(Writer:Yasu Nagao)
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最終更新2020年6月11日