プロの仕事術 営業編 感想
よく書店やコンビニで見かける雑誌『THE21』lの記事を集めて編集しなおしたというプロの仕事術という本を読んでいる。一流のビジネスマン約20人のインタビュー記事を、内容別に分類してある本で、たまたま興味のあった第3章から目を通してみた。
第3章は「最強の営業技術」ということで、
ネット広告大手 サイバーエージェント社長の 藤田さん
コロンビアミュージックエンターテイメント社長の 廣瀬さん
「やっぱり変だよ 日本の営業」の著書で有名な 宋 文洲さん
世界No.2営業ウーマンとして有名な 和田裕美さん
実演販売で有名な マーフィー岡田さん
以上の人たちが出てくる。どの人のパートも結構興味深かった。
サイバーエージェント 藤田さん
藤田さんは”「できる営業マン」とは、頭を働かせながら泥臭く駆け回る人”と定義している。
自身の経験から、まずはひたすら数をこなし、同時に必要な知識をつけていく(いたずらに頭でっかちになるのではなく)、バランスよく活動をしていくことが必要だと語っている。
泥くさく、ということでは、「九十九件断られも、平気な顔で百件目の会社を笑顔で訪問できるかどうか、それだけタフなマインドを持っているかどうか」と、マインドの強さの重要性を語っている。
私は、まだ駆け出しの頃は、何から足を動かしていけばいいのかが分からない状態で、藤田社長の言うところの頭でっかちだったのだろうと思う。でも、社会人経験を5年強経た今は、その状態は少しは脱却できたのではないか、と思っている。
電話をかけたり、営業に行ったりといったことに対する恐怖心が、昔より薄らいできた、ということは言えると思っている。
今後は、走りまわることに加えて、藤田さんも語っているように、お客のビジネスに精通する等、より頭を働かせてゆきたいと思う。泥臭く走り回ることと頭を働かせて考えること、それと心の強さ。これについては、常にテーマとして忘れないでおきたいと強く思った。
コロムビアミュージックエンタテインメント 廣瀬さん
コロムビアミュージックエンタテインメントの廣瀬CEOの記事中で、一番参考になったのは、廣瀬さんのIBMでの営業1年目の時について振り返っている部分。
・(営業1年目でつかんだもので、一番大きかったのは、)”最後のひと押しをしなきゃダメ”と気づいたことだった。
これに続けて、こうも言っている。
・相手が”あとは決断するだけ”というところまできたら、営業にあいまいさは、なくさなければならない
・(強引にすることが大事などということではなく)あくまで”答えを求めるのを恐れるな”ということ
これは、営業の最後のクロージングにおいて、具体的な話ができずに話を終えてしまうことへの戒めだろうが、自分の営業経験から考えてみると、「なかなか難しいなー」というのが実感である。
答えを求めようとすると、最後の最後のクロージング時に「いかにも営業だな」というようなことでお客さんへ悪印象を与えないか、と心配になってしまい、躊躇してしまう、ということはよくあることだと思う。
ただ、廣瀬さんの言う通り、必ずいわなければ、お客さんをみすみす逃してしまう、ということも経験上、理解ができる。ここの部分は、これから実践の中でつかんでいかなければならない課題だろうと思う。タイミングや言い方等、今後研究していきたい。
セブン&アイ生活デザイン研究所社長 藤巻 幸夫さん
続いて、セブン&アイ生活デザイン研究所社長の藤巻 幸夫さんの項を読んだ感想を。
藤巻さんというと、お兄さんが伝説のカリスマディーラーで、ご自身はファッション業界を引っ張るカリスマということで、結構露出が多い人であり、前々から名前は知っていた。
正直、藤巻さんには経営不振の 福助の社長になったと思ったらすぐ、セブン&アイ生活デザイン研究所社長の社長になったりと、結構落ち着かない人だなーといった印象があったが、この本を読んで、ちょっとイメージが変わった。(実際まだ福助の副会長だったんだということも分かった。)
この記事は、「話す技術」と「聞く技術」をテーマに書かれたものだったが、普段どんなことを考えて商談に入っているかを語っている部分は参考になる。
・「話が下手なのを才能のせいにしてはいけない。うまく話せないのはその人に話す内容がないからです。」
→ネタの仕込が大切であること。常にいろんなものにアンテナを張っておく(発見や感動を大切にする)べきこと。
私が営業のプロの今の上司に良く言われていることと同じである。要は大きな意味で事前の準備不足、ということなのだと思う。
・「失敗を数限りなく経験して初めて、僕のようにアドリブでもうまく話せるようになるんです」
・「『経験』を重ねているうちにだんだんと『勘』が育ってきた。」
→営業で成功した人が、共通して言うセリフだと思う。やみくもにでは良くないのだろうけど、ある程度の場数をこなすことが重要だということだろう。
・(この話を聞き続けても意味がないな、と思う時の対処法として)相づちを打ちながら少しずつ話の
ベクトルをずらしていくという、「逃がす」というテクニックを使います。このとき大事なのは、あくまで
相手に気づかれないようにさりげなくやること。
→会話の流れをいかに自分の都合の良い方向に持っていくか、営業をしていると分かるのですが、こういう技術が必要だと思われる部分が確かにあると思う。
話し方・聞き方は、一朝一夕では身に付かない事項だと思うが、うまくビジネスを進めていくためには必要な技術であることも確かだと思う。ビジネスの実践の中で意識しておきたい。
- 「THE21」編集部
- <決定版> プロの仕事術
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2006年11月4日 Photo by rawpixel on Unsplash