教養としてのテクノロジー AI、仮想通貨、ブロックチェーンを読んでみた
検索エンジンのインフォシークやネットインキュベーション企業デジタルガレージの創業者として、MITメディアラボの所長として有名な伊藤穰一さんの教養としてのテクノロジー AI、仮想通貨、ブロックチェーンを読んでみた。
本書は冒頭にもあるように、テクノロジーが「現代に生きる私たち一人ひとりに影響を与え、これまでとは違う生き方を迫って」きており、教養として本質的な理解が必要であるということで、伊藤さんの視点で、テクノロジーがもたらす社会の変化について解説した本。
章立てそのままだが、本書で語られるテクノロジーが社会にもたらす変化としてあげられているのはざっくり以下のようなもの。
・AIが労働を変える
・仮想通貨が国家を変える
・ブロックチェーンが資本主義を変える
・人間自体が変わる
・教育も変わる
・日本人自体も変わって行く必要がある。オリンピックはいい契機になる
伊藤穰一さんのようなネットを中心に最先端で活躍してきた天下人が、最近の世の中の状況をどう捉えているのかを学ぶことに意味がありそう。
今のシリコンバレーの動きに警鐘を鳴らしていたり、仮想通貨のガバナンスの無さを問題視していたり、何でもお金に換える風潮を危惧していたり、、、と意外な内容もあった。
全体としては、テクノロジーが社会に大きな変化をもたらすような状況になってきたからこそ、自分たちの価値観や今までの社会の仕組みを根本的に見直すべき時期にきているのではないか、という伊藤さんの問題意識が伝わってくる内容だった。
こうした変化の激しい時代に、我々のようなビジネスマンに必要なことは何なのか、考えていかなければならないなーと改めて思った。少なくともテクノロジーの理解は必須なんだろうとは思うが・・・
訪れつつある複雑な時代の羅針盤として、読み返したい一冊だ。
Photo by Francisco Gomes on Unsplash