書店の新書コーナーで手に取ったこの本、村西とおる 禁断の説得術応酬話法(副題は-「ノー」と言わせないテクニック)。
一言で言うと大変興味深く読めた。営業本としても秀逸だった。
村西とおると聞くと特に男性はにやにやしてくる人も多いのでは?
村西さんは高校を出て上京しバー勤めの後に英語の百科事典のトップセールスマンとなり、その後いくつかのビジネスを経験してAVビジネスで一時代を築き「帝王」と言われた人だ。その後衛星放送ビジネスで失敗して負債を変えるも見事に完済して現代に至っているとのこと。
・5000万円の借金を返せず死にそうになったけど、なんとか切り抜けた話
・百科事典販売のエピソード
・AV監督として多数の女優を口説いてAVに出演させ、AVビジネスを成功させたエピソード
そのあたりの実体験を中心に、波瀾万丈の人生の中で身に付けた営業手法をオモシロ話とともに惜しみなく公開している。
タイトル中の応酬話法とは以下のようなものだとのこと。
応酬話法とはお客様から投げかけられる疑問・質問・反論に応えるためのセールストークのことです。お客様の反応には一定の型があり、その型ごとに答えを用意するのです。誤解されやすいのですが、けっしてお客様を論破するものではありません。むしろ、お客様に自然に納得していただく「ノー」と言わせない説得術です。
応酬話法は分解すると以下のようなものからなる。
- 質問話法・・・質問によって本音を炙り出す
- 間接話法・・・最初に肯定してからソフトに否定していく
- 繰り返し話法・・・相手の言葉を送り返して悪い感情を緩和する
- 実例話法・・・具体例を示すことで説得力・親近感・安心感が増す
- 聞き流し話法・・・論争を避け、自分のペースに持ち込む
村西さんはこうした応酬話法を駆使してビジネスで成功を収めたり人生の難局を回避したりすることができてきたのだとのこと。
百科事典のセールスで身に付けたセールス手法がAVビジネスで役立ったという流れがとても面白かった。
人の心への寄り添い方・人の心の動かし方が分かってるからこそAVで世の中の男を動かすことができたのだろうと思われた。
これ以外にも著者の人生についての考え方も一読の価値ありだ。七転び八起きの精神はさすがだった。
個人的にはここで習った応酬話法を参考に、会社内での対応などもうまくやってゆかねばと思った次第。
今日の一文(応酬話法について)
いかに時代が変わろうとも、長い訪問販売で培われてきたノーハウはそれだけで普遍性を持っているのです。それは単にお客様にものを売るテクニックであるばかりではなくいかにお客様に愛されるかというセールスマンのあるべき道標を示しているからです。
禁断の説得術 応酬話法目次
序章 応酬話法とは何か
第1章 質問話法―質問によって本音を炙り出す
第2章 間接否定話法―最初に肯定してから、ソフトに否定していく
第3章 繰り返し話法―相手の言葉を繰り返して、悪感情を緩和する
第4章 実例話法―具体例を示すことで、説得力・親近感・安心感が増す
第5章 聞き流し話法―論争を避け、自分のペースに持ち込む
第6章 大失敗
終章 自分を識る
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