営業名著おすすめ12選中の一冊。
「あなたの会社が90日で儲かる!」で人気を博した、日本を代表する国際的マーケッターである神田昌典さんの名作である「口コミ伝染病」。
ユニークな題名が目を引くこの本は、マーケティングだけでなく営業担当者にもぜひ一読していただきたい。
お客さまの“感情”にアプローチをかけていく方法に視点を当てた内容は、実際に営業で使える要素が詰まっている。
特に読んでほしい方
・マーケティング担当者
・営業担当者
・広告制作や、関連した部署に所属している方
この本を通して、
・どのようにお客さまの感情を揺さぶることができるか
・お客さま自身を、営業マンにさせる方法とは
・モノやサービスを売ることにおいて、何が重要なのか
主にこの3点の答えを得ることができる。
同じ価格、品質、広告費でも“売れる”商品と、“売れない”商品では何が違うのだろうか。
例えば、電化製品店で炊飯器を買いたいとする。
A社(大手)と、B社(まだ知名度が低い)があり、それぞれ値段・機能・サイズ・重さ・デザインも同じとすると、読者の皆様はどちらを選ぶだろうか。
きっと多くの方が、A社が選ばれることだろう。
なぜなら、「名前が売れているし、みんな持っている。だからきっと美味しいご飯が炊けるだろう」と仮説をたてるからである。
「口コミ伝染病」では、このような信用をどう得ていくのか、お客さんは何を持って他者に口コミしたいと思うのかを丁寧に説明している。
「口コミ伝染病」まとめ
・自分の売りたいものを販売するのではなく、お客さんが欲しいものを販売する
=ビジネスにおいて勝ち組になる要因は、「ニーズを読み取り、変化を楽しむ」
=時期によって使い分ける、感情に働きかける集客方法
=口コミ・紹介こそ無料の広告ツール
神田さん曰く、ビジネスの勝敗が決まるのは、能力でも努力でもない。どれだけ「変化対応能力」に長けているかどうかである。
適切な時期に、いかにお客さんの感情に商品を訴えることができるかが鍵なのである。
将来的に多くのファンを作るよう仕掛け、ファンに商品をアピールしてもらう。基本的だが忘れがちな内容を、しっかりとした根拠とロジックで説明している。
・なぜ人は口コミをしたくなるのか
=口コミ5つの常識とは
=口コミが起きにくい業界の対処法
口コミが起きる基本的な条件は大体想像がつく(商品を気に入ってもらう、顧客満足度が高いなど)。
しかし、口コミが起きにくい業界(例えば葬儀屋など)は一体どのように仕掛ければ良いのか、という難題にもしっかりと例を用いながら回答している。
以前に「伝え方が9割」という本が大ヒットしたが、同様の内容が記載されていた。相手にどれだけポジティブな内容として受け取ってもらえるかは、ビジネスにおいてそれだけ重要であるからなのだろう。
・お客さんが喋りたくなる会社とは
=口コミはどのようにしたら広まっていくのか
=喋りたくなる感情の引き金は主に7つ
口コミが大切なことはわかったが、一体どのように広めていくのか。
個人的に、一番興味深いと感じた部分である。心理学的要素を含んでいると感じたが、神田さんの的確なポイントは納得するばかりであった。
誰でも持っている、心理的に心地いいと思う部分を引き出してあげることは、営業にも言えることである。感情の引き金となる7つのポイントについては、ぜひ実際にこの本を読んで確認していただきたい。
・お客さまに喋ってもらい、商品をバズらせる
=口コミコントロール方法
=口コミを伝染させる人を作る
この章では、口コミを拡散する仕掛けを理解することができる。
どう実践すれば良いのか?気を付けるポイントは何なのか?という質問に対応しているので、実践しやすい。また、1人から多数に口コミを広めてくれるお客さまの作り方のヒントもぜひ参照したい。この本が発売されたのが2001年と少々古く、発達しているSNSマーケティング戦法は多数あるが、口コミの基礎はこの本で学べるのでは、と感じた。
・応用編:口コミしてもらいながら、売上をUPさせるには
=社内で実践できる方法
=お客さま向けに実践できる方法
最後の章は、限られた時間の中でも試す価値ありの、口コミ伝染プログラムを紹介している。優先順位の高い方から追って説明しているので、何を始めれば良いのかが明確にわかる。記載されている内容は、営業の売り上げに困っている方々にも注目して見てもらいたいところだ。
「口コミ伝染病」:おわりに
先ほどお伝えした通り、2001年に発売された一見古い本である。しかし書かれている内容は現代にも活かせる内容ばかりであった。口コミの基本がしっかりとわかる、現在でも輝き続けるバイブル本だ。
基本的なことが多いが、普段の仕事の中で忘れがちになっていることを気づかされるとても良い機会になった。
マーケティングだけでなく、“感情”にアピールしていく心理的戦法は営業にも実践できると感じた。実際に実践できるアクションまで詳細に記載されているところも、親切である。
変わリゆく時代の中で、口コミされる媒体は進化していくだろう。しかしながら、人物が口コミを発していく限り、神田さんの「口コミ伝染病」に書かれている内容は受け継がれると思わずにはいられない。ぜひ、読んでみて欲しい名作と言える。
口コミ伝染病目次
第1章 井戸が枯れる前に水を汲め!
第2章 「口コミ五つの常識」を大研究する!
第3章 お客がしゃべりたくなる会社、無視する会社
第4章 あなたの会社で、口コミをコントロールするには
第5章 口コミを伝染させ、売上アップも同時に実現する5ステップ・プログラム
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