営業本マニアックス

法人営業やテレアポなど、さまざまな営業のテーマに関する本を取り上げ、おすすめのタイトルをリストアップしてゆきます。

証券営業出身の人が書いた営業本おすすめの10冊

 

証券営業

証券営業の極意を学ぶ

 

 

はじめに

本日は証券営業出身の人が書いた営業本を紹介する。

 

証券営業は本当に大変らしい。

 

(なんとなくのイメージは個人宅に夜討・朝駆け、別荘を持っている人には別荘まで追いかけて、風呂に一緒に入り、ご飯を食べて酒を酌み交わし、仲良くなってなんとか契約にこぎつける、、、少々古いか。)

 

某三大証券会社に勤める高校時代の友人は、バリバリに鍛えられて営業に絶対の自信を持ったそうで、今は出世して某支店の支店長で運転手付きの待遇らしい。

 

単身赴任し、年下の部下なども持ち、お客さんへの接待などに精を出すことなども余儀なくされ、非常に大変そうだが、やり甲斐もあるのだろうと推察している。

 

まあ、そこまで行くのはほんの一握りだろうし、相当の苦労があったのだろうが、、、

 

そんな余談な置いておくとして、証券営業のプロが書いたおすすめの本を取り上げてみたい。

 

営業 冨田和成

 著者は野村證券出身。現在は金融情報サイトZUUの社長をやっている方。鬼速PDCAという本がベストセラーになったことでも有名。

  顧客がどう捉えるか?を考える仮説思考とその検証を繰り返し、勝ちパターンを作り出してゆく「仮説営業」について書かれている。

   営業の各プロセスで、仮説を立てながらどんな改善を施すべきか詳しく書かれており、さすが・・・とうならせられる部分も多かった。

 

著者によると、日本の営業が自分でアップデートするには、

1.仮説思考力 

2.因数分解力 

3.確率論的思考 

4.PDCAを回し続ける力   

の4つが必要だとのこと。それぞれの解説も参考になった。

 

この他、個人的にはインサイドセールスの重要性について語っている部分もちょうど情報を集めていたので、興味を持って読めた(野村證券で営業をやっていたような人でも、現代のインサイドセールスの重要性ということを言っているのだということで。)。

 

 

あわせて読みたい。PDCA手法について書かれた人気本です。

鬼速PDCA

鬼速PDCA

  • 作者:冨田和成
  • 発売日: 2016/10/24
  • メディア: Kindle版
 

 

詳しくはこちら↓

 

1億稼ぐ営業の教科書 市村洋文

こちらも野村證券出身で、FX等でも有名なインヴァスト証券(元KOBE証券)の社長を勤め、今はファーストビレッジという会社を運営されている方。

 

冨田さんに比べると、バリバリの労働集約型パワー営業という野村の営業営業している印象が強いが、モーレツな営業だけではなく、顧客ごとに商談履歴・対応履歴をつづる『外交ノート』についてや、仮説思考で顧客に提案をしてゆくこと、ターゲットの絞り方、データに基づいた営業を重視すること等々、セールスの金言が満載だった。類書に比べて、個別具体的な戦術がしっかりと書いてあるので、そこは非常に価値がある。

 

大森店の支店長だった際にビリの営業マンをどうやってトップ営業に押し上げたのか、といった具体的な話は現場で試行錯誤する営業マンにはかなり参考になるのでは?と思われる。

 

筆者は会社経営者としてまだ第一線で営業に関与されている様子なので、現場感も感じられる。

 

1億稼ぐ 営業の強化書

1億稼ぐ 営業の強化書

  • 作者:市村洋文
  • 発売日: 2015/11/13
  • メディア: 単行本
 

こちらの書物も有名。 

 

詳しくはこちら↓

 

元野村證券のトップセールスが教える伝説の営業術 津田晃

著者は野村證券で、当時の社長から”営業の鑑”と言われ、43歳の若さで最年少役員に抜擢され、その後取締役専務にまで上り詰め、その後ジャフコや日立キャピタル等のベンチャー支援会社の幹部にに転じた方。

 

 凡事徹底、といった感じで、コツコツ積み上げる営業で評価を高めて行った人である様子。派手なエピソードがあるわけではないが、メモの大切さやメールの使い方、お客さん対応の心構えや準備等々、愚直にどうやって顧客の信頼を得て営業活動を行い、結果が評価されて若くして野村の幹部に上り詰めたのか、参考になる部分は多い(正直こうしたの人の元で、徹底的に基礎を叩き込まれれば、強い営業が醸成されそう、という印象を持った。)。

 

  ノルマ証券と言われる野村の証券営業マンは、月の最初の10日ぐらいでノルマは達成してしまい、さらなる高みを目指して売上獲得に増進している場合が多い、といった野村の営業の思い出話も刺激になる。同著者の「営業マンの君に勇気を与える80の言葉」もその名の通り、勇気づけられる記述が多くて、併読したが良かった。

 

伝説の営業術 ── 元野村證券トップセールスが教える

伝説の営業術 ── 元野村證券トップセールスが教える

  • 作者:津田 晃
  • 発売日: 2018/08/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

あわせて読みたい

営業マンの君に勇気を与える80の言葉

営業マンの君に勇気を与える80の言葉

  • 作者:津田晃
  • 発売日: 2014/06/27
  • メディア: Kindle版
 

 

どんな人にも大切な「売る力」ノート 津田晃

同じく津田晃さんの本。副題はプロ経営者が書き続けた仕事の「気づきメモ」。津田さんは20代から営業活動の「気づきメモ」を取ってきたのだとのこと。本書はその中の「売る人間」になるには?について書かれた部分を抜粋して編集されたもの。

コツコツ型の営業で、43歳で野村證券の役員まで上り詰め、ベンチャーキャピタルの経営者なども務めた、著者の思考に触れることができる。読みやすいが、為になる話が多くおすすめの一冊。

 

 

詳しくはこちら↓

【レビュー】どんな人にも大切な「売る力」ノート 津田晃

 

道は拓かれる 後藤光男

野村證券が一番伸びた時期に営業の第一線で活躍し、支店長や本社の営業企画系の部長、関連会社の日本合同ファイナンスの幹部や野村企業情報の社長等を務めた筆者の私の履歴書的な本。

 

著者が野村證券の中で周りの支援も受けながら成長・出世してゆく様子は他人事ながらなかなか興味深いものだった。往時の証券業界のあり方、野村證券の営業のあり方とその発展等々も具体的に書いてあり、こちらもなかなか興味深い。

 

後半には衝撃の展開も待っていて、かなり興味深く読める一冊。少々古いが今でもえられるものはかなりありそう。

 

 

詳しくはこちら↓

【レビュー】道は拓かれる 後藤光男

 

野村證券 第2事業法人部 横尾宣政

オリンパスの巨額粉飾決算疑惑で逮捕・起訴されるなど、波乱万丈のビジネス人生を生きた筆者による野村證券の実態に迫る、という書籍。筆者の入社初期の営業について書いてある部分は当時の顧客とのやり取りなどの苛烈な様子が非常に興味深い。

 

証券営業だけではなく、野村證券自体や関連するオリンパス事件についての記述など、非常に読み応えのある本。純粋に読み物として面白い。

 

野村證券第2事業法人部 (講談社+α文庫)

野村證券第2事業法人部 (講談社+α文庫)

  • 作者:横尾宣政
  • 発売日: 2019/07/19
  • メディア: Kindle版
 

 

偏差値42でトップ営業マンに変身できる魔法のテクニック 串崎正寿

 日興證券に入り、落ちこぼれからトップセールスに。その後有名な堀紘一が立ち上げたコンサルティング会社ドリームインキュベーターの役員にまでなった筆者の営業指南本。

 私もドリームインキュベータを受けたことがあるが、生半可なことでは採用されない。その部分の提案力・アピール力だけでもすごいと思う。

 

内容としては、左脳・右脳をハイブリッドにフル回転、綿密に論理的思考力を巡らせつつ、人の力に積極的に頼るボロウィングパワーを最大限に活用して会心の営業に成功した話。

  エピソード満載で読み応えがある。私自身営業の現場にもいたし、コンサル会社にも曲がりなりにも在籍したので興味深かった。

 

営業は会社と人、会社と会社の間に立ってビジネスをプロデュースするのが役割、だとか営業マンは経営者向けの本を読め、というような記述も参考になった。

 

偏差値42でもトップ営業マンに変身できる魔法のテクニック

偏差値42でもトップ営業マンに変身できる魔法のテクニック

  • 作者:串崎 正寿
  • 発売日: 2011/05/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

本音だけで売れる 伊東修

副題は野村證券で3年連続トップになった営業法。

 

著者の伊東修さんは野村證券で同期トップセールスを数年継続した後、ヘッドハンティングでモルガン・スタンレーに移り、その後独立されたという方。

 

その営業手法は本音営業ともいうべきもので、事前の調査・検証等を徹底的に行った上で、自分が本当に納得できる商品を用意し、本当に自分はこれをお客さんに売りたいのかを深く考え、ごまかしをせずにお客さんに本音でぶつかり、自分の結論をプロフェッショナルとしてお客さんに伝えてゆく、というもの。

 

もし商品に満足できなければ、商品開発にフィードバックすることも大切なことだとも書いてあった。

 

シンプルな理想系ということで、実際現場で使えるか、というと課題もあるのだろうが、お客様も情報武装をすすめる今の時代に自分の営業の軸を作る上で、営業の本質をつく一つの考え方として、かなり参考になるのでは?と思う。

 

 

ヨイショする営業マンは全員アホ 宋 世羅

早稲田大学の野球部出身、野村證券の営業を経て、現在は独立してフルコミッションの保険営業マンをする傍ら、YouTuberとしても有名な宋 世羅さんの書かれた”綺麗事一切なしの現場営業論”。

 

小さなイエスを積み重ねろ、というような営業の通説を真っ向から否定し、ケチョンケチョンにする記述からは野村の営業で修羅場をくぐり抜けてきたという本人の自負みたいなものがビンビンに伝わってきた(野村時代の営業エピソードも多数出てきていた。)。

 

営業手法としては、上記の伊藤さんの本音営業とも重なる部分があるという印象を持った。何となく、宋さんって野村證券の営業の典型例では?と感じさせられる本だった。

 

詳しくはこちら

 

非対面営業の教科書 原裕平

ゴールドマン・サックス証券の営業畑を歩んだ筆者が、ニューヨーク勤務の経験などを元に書いた非対面営業の指南書。コロナ禍で満を持して世の中に出してきたという感じの本。

 

著者は米国(特にニューヨーク)のGSで行われている非対面営業にかなりの衝撃を受け、日本のセールス現場でもこれから更に非対面の営業スキルを高める必要がある、と考え同書を書くに至ったのだという。その具体的な方法論(非対面営業スキルを上げるためにどんな習慣をつけるべきか、等)が書かれていて参考になる。

 

 

詳しくはこちら

最後に

以上、証券営業マンの方の書いた本を取り上げてみた。

 

多くの本で、当たり前のことを当たり前にする(凡事を徹底する、基本に立ち返る)ことの大切さが語られていることや、営業感覚のような右脳的な部分だけではなく、仮説思考や論理思考のような左脳的な部分も、重要である(どちらもバランス良く鍛える必要がある)、というようなことが語られていて印象に残った。

 

また、脚色を覗いた本音ベースの営業手法を取る人が多いのも、気付きだった。

 

 

そういえば、昔N村証券のマーケティング職を受けて、2次面接までいって、辞退したことを思い出した。

 

面接では、黒いスーツを身にまとったシニアに近い方々がズラーッとおこしになっていて、ちょっと圧迫感を感じていたのを今でも思い出す。あの頃入社していたら、今頃証券営業していたかな・・・(笑)

 

 

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