本日は証券営業出身の人が書いた営業本を紹介する。
証券営業は本当に大変らしい。
某三大証券会社に勤める高校時代の友人は、バリバリに鍛えられて営業に絶対の自信を持ったそうで、今は出世して某支店の支店長で運転手付きの待遇らしい。
単身赴任し、年下の部下なども持ち、お客さんへの接待などに精を出すことなども余儀なくされ、非常に大変そうだが、やり甲斐もあるのだろうと推察している。
まあ、そこまで行くのはほんの一握りだろうし、相当の苦労があったのだろうが、、、
そんな余談な置いておくとして、証券営業のプロが書いたおすすめの本を取り上げてみたい。
営業 冨田和成
著者は野村證券出身。現在は金融情報サイトZUUの社長をやっている方。鬼速PDCAという本がベストセラーになったことでも有名。
顧客がどう捉えるか?を考える仮説思考とその検証を繰り返し、勝ちパターンを作り出してゆく「仮説営業」について書かれている。
営業の各プロセスで、仮説を立てながらどんな改善を施すべきか詳しく書かれており、さすが・・・とうならせられる部分も多かった。
著者によると、日本の営業が自分でアップデートするには、1.仮説思考力 2.因数分解力 3.確率論的思考 4.PDCAを回し続ける力 の4つが必要だとのこと。それぞれの解説も参考になった。
この他、個人的にはインサイドセールスの重要性について語っている部分もちょうど情報を集めていたので、興味を持って読めた(野村證券で営業をやっていたような人でも、現代のインサイドセールスの重要性ということを言っているのだということで。)。
1億稼ぐ営業の教科書 市村洋文
こちらも野村證券出身で、FX等でも有名なインヴァスト証券の社長を勤め、今はファーストビレッジという会社を運営されている方。
冨田さんに比べると、バリバリの労働集約型パワー営業という野村の営業営業している印象が強いが、モーレツな営業だけではなく、顧客ごとに商談履歴・対応履歴をつづる『外交ノート』についてや、仮説思考で顧客に提案をしてゆくこと、ターゲットの絞り方等々、セールスの金言が満載だった。
野村證券 第2事業法人部 横尾宣政
オリンパスの巨額粉飾決算疑惑で逮捕・起訴されるなど、波乱万丈のビジネス人生を生きた筆者による野村證券の実態に迫る、という書籍。筆者の入社初期の営業について書いてある部分は当時の顧客とのやり取りなどの苛烈な様子が非常に興味深い。
証券営業だけではなく、野村證券自体や関連するオリンパス事件についての記述など、非常に読み応えのある本。純粋に読み物として面白い。
偏差値42でトップ営業マンに変身できる魔法のテクニック 串崎正寿
日興證券に入り、落ちこぼれからトップセールスに。その後有名な堀紘一が立ち上げたコンサルティング会社ドリームインキュベーターの役員にまでなった筆者の営業指南本。
私もドリームインキュベータを受けたことがあるが、生半可なことでは採用されない。その部分の提案力・アピール力だけでもすごいと思う。
内容としては、左脳・右脳をハイブリッドにフル回転、綿密に論理的思考力を巡らせつつ、人の力に積極的に頼るボロウィングパワーを最大限に活用して会心の営業に成功した話。
エピソード満載で読み応えがある。私自身営業の現場にもいたし、コンサル会社にも曲がりなりにも在籍したので興味深かった。
営業は会社と人、会社と会社の間に立ってビジネスをプロデュースするのが役割、だとか営業マンは経営者向けの本を読め、というような記述も参考になった。
以上、証券営業マンの方の書いた本を取り上げてみた。
多くの本で、当たり前のことを当たり前にする(凡事を徹底する、基本に立ち返る)ことの大切さが語られていることや、営業感覚のような右脳的な部分だけではなく、仮説思考や論理思考のような左脳的な部分も、重要である(どちらもバランス良く鍛える必要がある)、というようなことが語られていて印象に残った。
そういえば、昔N村証券のマーケティング職を受けて、2次面接までいって、辞退したことを思い出した。
面接では、黒いスーツを身にまとったシニアに近い方々がズラーッとおこしになっていて、ちょっと圧迫感を感じていたのを今でも思い出す。あの頃入社していたら、今頃証券営業していたかな・・・(笑)
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