大型商談を成約に導く「SPIN」営業術を読んでみた
営業名著おすすめ12選、エンタープライズ営業本7選で紹介している一冊。
「SPIN」については、昔まだネットの会社にいて営業として駆け出しだった頃、会社でまさしくそれを冠した研修を受けて、その研修講師の方が書いた本も読んだことがあったので、”聴く技術”ということで大まかにには理解していたつもりだが、最近会社の上の人にSPINって知ってる?オリジナル読んだ?と言われたこともあり、手にとったのがこの本。
大型商談を成約に導く「SPIN」営業術 ニール・ラッカム著
著者は営業コンサルティング・営業研修の会社を経営していた人で、営業を科学的に調査(なんと35,000件の商談を研究したとのこと。)しながら、この「SPIN」という手法を編み出したとのこと。
SPINとは、 Situation Questions 状況質問
Problem Questions 問題質問
Implication Questions 示唆質問
Need-payoff Questions 解決質問
上の4つの頭文字をとったもので、特に大型商談において、どのような質問をしながらお客さんのニーズを発見し育てていくか、著者が発見した商談のガイドライン的なもののことを指す(P86 「大型商談における質問の目的は、潜在ニーズを見つけだし、それを顕在ニーズに発展させることだ」)。
全体的に、単なる思い込みではなく、調査を元に数字や図を多用して科学的に書かれているので、非常に説得性が高い。
特に小型商談と大型商談の対比をSPINを使って試みた部分が分かりやすい(小型商談は問題質問程度までで決着が着くが、大型商談の場合は示唆質問・解決質問こそ大切、というような部分)。
商談の初期からウリウリでお客さんと向き合って大型商談がうまくいくことは、まぐれ当たりが少しあったとしても、そんなに多くない、と経験上も納得がいくのだが、一歩進んで質問を通じてニーズを育てることの大切さを再認識させられた。
いかに上手に示唆質問や解決質問をするか、そんな簡単なことでは無いと思うが、この本の内容を意識しながら、徐々に質問の質を高めていければ、と思った次第。
大型商談でニーズを育てるには?お客さんにどのように接していくべきか?大きな示唆を与えてくれる素晴らしい本(本題の他にも各所に納得感のある言葉が散りばめられている。)。是非是非繰り返し読んで血肉化してゆきたいと思う。
大型商談を成約に導く「SPIN」営業術目次
はじめに
第1章 真実はいつも現場にある
第2章 大型商談と小型商談の違い
第3章 商談の四段階と「調査段階」
第4章 見込客のニーズのつかみ方
第5章 潜在ニーズを探る質問方法
第6章 SPINの効用と使い方
第7章 「利点」ではなく「利益」を語れ
第8章 反論の正しい対処法
第9章 商談の出だしは小さな工夫で
第10章 クロージングには要注意
第11章 理論を実践に移すコツ
付録A SPINの検証過程についての報告
付録B クロージングに対する考え方テスト
ちなみに若かりし頃研修で教材となっていたのがこちらの営業の「聴く技術」(私が研修を受けたのが、この古淵元龍さんだった。)。質問をどのように配置していけば大型が商談が育っていくのか、営業はどのような心持ちで商談に当たるべきなのか、購買担当者はどんな事を考えているのか、などなど、丁寧に説明されており参考になる。SPIN定着のために併読すると良さそう。
営業の「聴く技術」 新版目次
推薦のことば
Prologue
Chapter 1 営業を成功へと導く質問技法
Chapter 2 ホンモノの営業スキルとは…
Chapter 3 クロージング神話の崩壊とSPINの誕生
Chapter 4 顧客の心理をハートフルに動かす「4つの質問」
Chapter 5 「3つの説明」商談成功のクライマックス
Chapter 6 変革・改革・激動の世紀を生き抜くスキル
Chapter 7 サクセス企業リポート4社の事例
Epilogue
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