営業名著おすすめ11選で紹介している一冊。
本日ご紹介する田坂 広志著 営業力は、営業マンとしての技術的なスキルだけでなく、上記の感覚のようなものを非常に深いレベル(プロの営業という観点から)で与えてくれる素晴らしい本です。
田坂さんは、いろんな本やメールマガジンを書かれていたり、SBIの北尾さんが尊敬して自社のグループの中に迎え入れていたり、といったことで社会思想家としても有名な方ですよね。
恥ずかしながら、私は田坂さんの著作を本格的に読んだのは初めてだったのですが、すごく感銘を受けてしまいました。世の中すごい人がいるもんですね、、、
さて、田坂さんが本書で述べたかったことは、以下だとのことです。
「営業力」とは、商談という場において、 「顧客の心」を細やかに感じ取り、 「顧客の心」に、速やかに対処する力である。 p164
この本では随所に顧客の”心”に近づき、向き合わせてもらい、自分の心との間で交信させてもらう方法みたいなものが出てきます。
そしてその方法も、よくありがちなお客の心を操作する方法みたいなものではなく、心と心とのやり取りといった考え方の下にあるものです(筆者は「操作主義」を捨てよ、とも書いております。これは本当に深い言葉だと思いました。本当の営業力をつけたいのなら顧客への共感力が必要である、とのことです。)。
また、”細やかに”とありますが、場の流れを読んだり・お客様の心情を理解したり、その他様々なことを感じる”細やかさ”の大切さが力説されています。他の箇所では「神は細部に宿る」ということを書かれています。
私はこの細やかさ、という部分にプロならではのものを感じました。 (よくみているNHKのプロフェッショナル仕事の流儀に出てくるプロの方は、すごく細やかな方がほとんどですよね。)
田坂さんは「営業のプロフェッショナルに求められるその営みの根底には、人間としての高度な直観力と皮膚感覚がある」と述べられています。
上記のようなことを含めて、感覚的なことばかりではなく、商談の準備等の技術的なことまで、非常に参考になりました。
ちなみに、章のタイトルだけでもすごいです。 気に入ったのを抜き出してみます。
- 売れるのは、商品ではない 人間である
- 「小さな商談」こそ営業力は磨かれる
- 商談の前日には徹底的な「予行演習」を行え
- 重要な顧客ほど「短気」であると心得よ
- 商談の最中は「アイコンタクト」を外すな
- 商談において、新人は上司を「集中力」で支えよ
- エレベーター・ホールで「最後の一瞬」を感じ取れ
- 顧客に対する「操作主義」を捨てよ
営業マンとして奮闘した経験と現在の色々な営業を受ける立場、両面から考えると、本書に書かれている様な営業のプロフェッショナルが理想だし、そうしたプロフェッショナルであれば是非お付き合いしたいというのが本音。
理想の営業とは?を考える上で、非常に参考になる一冊だと思う。
(こんな人に読んで欲しい)
・営業力とは何かを考えたい人
・営業プロフェッショナルとはどんなレベルの人なのか、そのレベル感を把握したい人
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