営業本マニアックス

法人営業やテレアポなど、さまざまな営業のテーマに関する本を取り上げ、おすすめのタイトルをリストアップしてゆきます。

【レビュー】無限のセールス 佐藤康行

佐藤康行氏無限のセールスを読んでみた。副題はあなたは真我(本当の自分)に目覚めていますか?

 

著者の佐藤康行さんは宝飾品の訪問販売で日本一の営業実績を立てた後、チェーンレストランのオーナーとなり70店舗程に拡大した後で売却。その後教育教材の販売で世界一の実績を打ち立てたという方。心理学の博士号も持っていらっしゃるとのこと。

 

無限のセールスとは真我という本当の自分を引き出し、原理原則に基づいてセールスを行うことで桁外れの実績を導く、全く新しいパラダイムだとのこと。


営業に関して言うと、断られる恐怖から目を背けるのではなく、その恐怖に向き合って真実を掴み、自分が強くなれると考え、お客様の反応を元に営業をブラッシュアップしていく、それを積み重ねていくことが大切なのだとのこと。

 


断られた時にどう捉えるか?それは、断られた理由を改善していければ良い(P81断わりの裏には反対に売れるという答えがあるのです。)。

 

この本に書いてある内容はシンプルだが、本質だろう。単なるポジティブ思考ではなくて、お客さんの断りからその断られた理由のフィードバックで常に改善を施していくことで、 断りに負けない強いセールスになることができるといったことだと理解した。

 

個人的には本書のポイントは

・営業の本質から目をそらさないことが大切
・本当の自分に気づくことで、落ち込むぐらいの出来事もそこから学んで喜びに変えていくことができる

 

といったことだろうと思った。

 

無限のセールスでチェックしたのは以下のような部分。

 

P108
真実を見ることができてからは落ち込むぐらいの出来事を乗り越えて喜びに変わっていくという部分がこの本で重要な部分なのである。

 

P123
営業の仕事はその意味では、人間関係の一番深い一番奥深い部分と常に向き合う素晴らしい仕事だ。極めれば極めるほど人間の素晴らしさを発見できる。

 

P146
鏡、つまり数字を一番にするのは、自分の成長を一番にするということだ。

 

P174
むしろ苦しいこと辛いことを避けていること、不安に思うことにこそ両足を踏み込んでみるのだ、そこにはあなたの心を深く深く掘り下げていくかけがえの無い財産がある。

 

P217
結果として真我のセールスを実践したら、向こうから注文が舞い込んでくるような思いもよらない体験をしたり、力を入れてないのにどんどん注文が取れて何倍もの実績を簡単な上げてしまったり、気持ち悪いぐらいに売れて仕方なくなってしまったといった常識外れの実績が出る。

 

読み進めてみて、とらえどころが無いというような部分もあるのだが、テクニックやマインドを超えた、営業道を説いた本かなと思った。

 

どちらかというとお坊さんの修行のような印象も持ち、巨人軍の監督だった川上哲治さんの名著「遺言」の中で書かれている禅関係の記述にも近いものがあると感じた。

 

例えば、遺言の中に以下のような文章がある。この鬼神の如き境界などは、かなり低通するものがありそう。

 

P206
カネや結果というものを一切考えずに、その折々にやるべきことのみを考えて、技術なら技術一点のみを追求する。そうした集積がないと、なかなか鬼神の如き境界の妙には立ち入ることができないものだ。

 

 

 

営業に何人か従事して壁を感じてる人などは手に取ってみると良いかもしれない。アクの強い1冊だが、その通りだと思わせてくれる内容も多かったし、営業の具体的なやり方についても参考になる部分が多々あると思う。

 

 

無限のセールス目次

序章 断りの恐怖にとりつかれた営業マンの悲劇
面白いように注文が舞い込む営業をしたくないか?

 

第1章 プラス思考やテクニックでは今以上大きく伸びない
「臭いものにフタ」をやめれば限界はぶち破れる

 

第2章 断られつづけて、売れる真実がつかめた
悩み・落ち込み・地獄の苦しみはあなたの財産

 

第3章 落ち込みと歓びの真実を知れば無限の力が出る
すべての問題はうけとめ方のレベルで解決する

 

第4章 「プラス思考」の限界から「無限のセールス」へ
断りを全部歓びに変えていけば断られなくなる

 

第5章 自分の考えというこだわりを脱ぎ捨てる
常に数字に的をしぼれば、こだわりや壁はなくなる

 

第6章 一生懸命の限界を突破できる営業三つのカギ
素直・正直・即実践で奇跡が起きる

 

第7章 営業実績を三倍にするのは簡単だ
営業の極意は訪問にある

 

結章 断られようがなくなる営業を究める
真我の営業は「すべて味方、協力者、愛する人」

 

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