本日は岩本仁さん執筆の「ミッションリーダーシップ 組織を動かす無敵のチカラ」をご紹介いたします。
まずそもそもleader(リーダー)という言葉ですが、Wikipediaによれば、「先頭となるもの、グループ、集団を代表、指導、先導、統率する存在」とあります。ビジネスシーンでも営業リーダー、業務リーダー、バイトリーダーなど、リーダーという言葉はよく利用します。
この書籍は「組織を動かす無敵のチカラ」というタイトルであり、最強の組織を作るために必要な、リーダーの行動や考え方について丁寧に執筆されています。
ミッションリーダーシップとは、ヨーロッパの先進国や、米国の特殊部隊などで利用される軍事戦略プログラムを、ビジネスシーンでも利用出来るように考えられたマネージメント理論です。また、日本国内でも利用している企業は多くあると聞きます。
簡潔明快なビジョンを全員で共有し、その達成をするために各自が設定したミッションをこなすことで、どんな苦境でも目標を達成できる、そうしたあり方を理論化したものです。
具体的な内容として、「リーダーとしての効率的な思考方法」や、「夢のあるビジョンの作り方」などの他に、「チームを勝利に導くための習慣・実践編」や、各章の終わりには「まとめ」、付録でワークシートもあります。
最終章での「歴代リーダーたちのミッション分析」には、ネルソン・マンデラやスティーブ・ジョブズから、何と驚きの豊臣秀吉までもあります!
裏表紙には全日本空輸株式会社 代表取締役社長 篠辺 修さんの言葉で「自らの役割や責任・権限の範囲を正確に理解し、かつ、状況に応じたギリギリの判断ができる人材が必要だが、本書は、そこを的確に示している」とあります。
序章を読み始めてすぐに、小売りの王者・ウォールマートについて語られています。日本では傘下に西友を持っており世界的にも目が離せない「まさに王者」という存在です。
そのウォールマートの創業者のサム・ウォルトンの理念について興味深い記載があります。端的に書きますが、サムは低価格へのこだわりと、顧客満足度の向上に執念を燃やしていたと。売値についてのエピソードとして下記があります。
安く仕入れられたとき、普通の商人であれば、より多くの利益をとろうとします。しかし、サムは違いました。例えば1ドルの商品を50セントで入手できたとします。
「90セントで売りましょう、これでも他の店より安い」と店長が提案しても、サムは「50セントで仕入れたのなら、そこに30%を上乗せする。売値は65セント。それ以上はだめだ。安く仕入れたぶんの儲けは、お客様に還元するんだ」と首を横に振ったとあります。
利益も大切だが、お客様への還元が第一、こういった理念に基づき、サムは店長たちへ権限委譲を進め、自らの判断で行動する自由も与えていき、店長達のやる気を引き出していきました。
そんなウォールマートの伝説を読んでいた時、タイムリーなニュースが配信されました。
アメリカの小売大手「シアーズ・ホールディングス」は、不採算となっている百貨店「シアーズ」の42店舗と、量販店「Kマート」の108店舗を閉鎖すると発表しました。
参考URLはこちら
http://www.fukeiki.com/2017/01/sears-kmart-close-150-stores.html
このニュースを調べていくと「Amazon、恐るべし」、という感想があります。また、個人的に、3年ほど前のハワイ旅行で、シアーズで色々とモノを買った思い出もあり、一つの時代の変化を心底感じました。
さて、書籍の話に戻りますが、第一章の「ミッション・リーダーシップ概論」をはじめとして、リーダー・マネージャー・経営層には知っておきたい情報が、たんまりと記載されています。第一章の【「命令」から「使命=ミッション」へ】のページを読んだ時は、自分なりに、自分の本当の役割について考えさせられました。また、人を動かすビジョンを作る(68ページ)、信頼を得るための言動(118ページ)等も勉強になります。
頭ではわかっていても、日々の忙しさに逃げている自分には、目を覚まさせてくれる書籍です。
感想として、業種を問わず役職者には勉強になる書籍だと思います!
ぜひ皆様も読んでみて下さいね! writer:カイト
ミッションリーダーシップ 組織を動かす無敵のチカラ目次:
序章 世界一の会社は、いかにして作られたか
第1章 ミッションリーダーシップ概論
第2章 チームを勝利に導くためのプロセス
第3章 チームを勝利に導くための言動
第4章 チームを勝利に導くための習慣・実践編
第5章 歴代のリーダーたちのミッション分析
付録 ミッションリーダーシップワークノート
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私のウォルマート商法 すべて小さく考えよ サム・ウォルトン 感想
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