営業本マニアックス

法人営業やテレアポなど、さまざまな営業のテーマに関する本を取り上げ、おすすめのタイトルをリストアップしてゆきます。

テレアポ営業におすすめの16冊紹介

テレアポを極める
テレアポ」や「電話営業」、「アウトバンド営業」という言葉を聞いて、どんなイメージが浮かびますか?多くの方が「苦手」「難しそう」「断られそう」といったネガティブな印象を持っているのではないでしょうか。

確かに、見知らぬ相手に電話をかけ、アポイントを取るのは簡単なことではありません。しかし、テレアポは多くの営業職にとって避けて通れないスキルであり、マスターすれば大きな武器になります。

実は、テレアポには体系的な手法があり、練習と経験を重ねることで誰でも上達できるのです。今回ご紹介する本は、テレアポや電話営業、アウトバンド営業のプロフェッショナルたちが、その秘訣を惜しみなく公開してくれています。

例えば、相手の心を開く最初の一言の作り方、断られそうな時の対処法、アポイントを確実に取るための会話の組み立て方など、すぐに実践できるテクニックが満載です。

アポイント取得力はできる営業マンの必要条件であることには異論はないと思います。

会社のマーケティング活動で仕組み的に量産してくれれば良いのですが、なかなかそうは行かず、営業マン自身も新規のアポを取る努力を求められる場面も多いと思います。

以下で取り上げた本(歴戦の勇者から多くを学べ、きっと勇気をもらうことができると思う。)の中から数冊を選んで、比較しながら読んで、自分なりの方法論を作り上げてみて欲しいです。



できる人に学ぶテレアポの極意 竹野 恵介

著者はアルミサッシのメーカーからはじめ、外資系保険会社、人材紹介の営業マン等を経て、現在テレアポ専門の会社を創業。”テレアポ職人”を称して活動されている方だとのこと。

マインド・リスト・スクリプト・話し方・その他という章立てで、どういうことをするとテレアポで失敗するか、ということでテレアポのコツを示してくれる。オーソドックスでいて深い、そんな本。

筆者によれば、テレアポは上記の章立ての通りの4つがバランスよく備わっていることが望ましいとのこと。自分の弱点がどこにあるのか、この本を通じて省みることも可能かと思う。

私の救いとなったのは、「こちらから選択する」という意識を持ってテレアポをするべき、という部分。

要は心の持ち方である、ということかもしれないが、主導権は電話をかける側にある、というこの意識は非常に重要だと思う。この意識を持つだけで気持ちが大分楽になる。素晴らしい情報を届けていると胸を貼ってテレアポをすればいいんだと思っている。


詳しくはこちら:【レビュー】できる人に学ぶテレアポの極意 竹野恵介


契約率76.2%営業即アポ 堀口龍介

契約率76.2%6万5026時間の会話分析からわかった!というキャッチフレーズに引かれて買ってみた本。即決営業で有名な著者(堀口龍介氏)の書いた2020年初頭に出たテレアポ本。現在でもかなり人気で中古価格もそれほど落ちていない。

Web マーケティングを有効活用して質の高いリストを作り、お客さんの「結構です」という断りをはねのけ、会話の中で「会いましょう」を3回言うことで、アポにつなげるというような手法が紹介されている。

「アポは3回おさなければいけない」

「お客様の『考えます』を退けて、即決を迫ることが大切」

これだけだと、なんか根性論のように思われるが、現在までの活動を通じてのデータ分析で有効性が裏打ちされている手法であるというのがポイント。

年々難易度が高くなっていると思われるテレアポを少しでも楽にするために(楽にできれば他社と差がつくだろうと思う。)、最新のテレアポ本として参考になる部分は多い。


詳しくはこちら:【レビュー】契約率76.2% 営業即アポ 堀口龍介


即決営業は準備が8割!を合言葉に書かれたこちらも注目です。



「まじアポ」を確実に!90秒テレアポ営業術 吉野真由美

著者の吉野真由美さんは「テレアポの女神」とも言われ、実は私も仕事で少しお付き合いのある大手SIerに在籍していて、そこで新規開拓で外資系企業を多数発掘した実績もあったのだという。

本書は書名の通り、「まじアポ」をどう取るか、過去の著者の経験から具体的なトークスクリプトやテレアポスキルが書かれていて価値がある。

・上からアポを取る
・テレアポは社員が18名以上の会社にかける(零細企業だとガチャ切り等になる可能性が高い)
・トークスクリプトを用意し、どこでつまづいたのかの記録を取る(プロセスのどこでつまづいたのか、科学的なアプローチを採用する)
・資料送付をした後に電話をかけ直すアプローチよりも、電話で粘って即アポを取るアプローチの方が成果が上がりやすい
・「気に入らなければ断ってください」というトークを使うことでまじアポが取れる

などなどテレアポを強化したい人には参考になる箇所が多数ある。掛け値なしに一度手に取ってみる価値はあると思う。


詳しくはこちら:【レビュー】「まじアポ」を確実に!90秒テレアポ営業術 吉野真由美

たちまち7倍アップ! テレアポ魔法の絶対法則 吉野真由美

同じく吉野真由美さんの本。著者の吉野さんは有名な幼児教材の販売でかなり名前を売り、そのあとテレアポ専門の会社を作った人。ストレスなくできる、誰でもできる、お客様の心の動きに合っている、という3つの特徴を持つ独自の営業手法をウリにしている。

著者の上げるアポ取りを成功させる3か条がこちら。 

  • 1つ目はターゲットになるリストの質が良いこと 
  • 2つ目は電話のトークスクリプトが完璧であること 
  • 3つ目は使命感があること

    テレアポの恐怖心から逃れる方法・ターゲットリストの作り方・トークスクリプトの作り方・気持ちの込め方、トーク方法の詳細、等々オーソドックスではあるが、しっかりと書いてある。試行錯誤の過程が詳しく書かれているのも良い。また、特に第1章は社長にどうアポは取るか?ということについて詳しく書いてあり、他のテレアポ本にはあまり見かけない切り口で興味深い。


詳しくはこちら:【レビュー】テレアポ魔法の絶対法則 吉野真由美


10秒で決める テレアポ&電話営業術 浅野 哲

電話営業のテレアポで「機械的テレアポ」ではなく、アポイントの先にある契約を考えての「戦略的テレアポ」を示してくれる本。


具体的には「TDTHの法則」というものが示されている。これは、

  • T・・・テレフォン・電話
  • D・・・DM・情報
  • T・・・テレフォン・電話
  • H・・・訪問・契約

のかしら文字をとったもので、「見込み客や顧客との距離の長さ、密着度により、どの部分から何回、どの作業をすることにより契約を取ることができるかを示す法則」だとのこと、「TDTHの法則」を使って具体的に説明をしてくれている。

筆者によると、1番目の電話は、話を聞いてくれる人や会社を見つけるのではなく、話を聞く姿勢になれない人や会社を省く電話であるとのこと。この作業を行うことで、見込み客リストを作るのとのこと。この後、ファクス→電話→訪問とつづいていくわけだが、この部分、個人的には非常に納得がいった。

こうやって改めて記述してみると、上述のできる人に学ぶテレアポの極意同様と近いことを言っている、という気がする。このあたりに何かしらテレアポをうまく進めるコツがありそうだ。

この本については、スクリプトの大切さや、最初の10秒をどう使うか、というような事項についても非常に参考なった。


詳しくはこちら:【レビュー】即効!10秒で決めるテレアポ&電話営業術 浅野 哲


世界一やさしい テレアポ&電話営業の本 赤嶺哲也

テレアポの前に営業マンとして持つべき心の在り方は何か、テレアポと電話営業はどう違うか、対面営業とテレアポの違いは何か、電話はどのようなトーンでかけるべきか、段階に応じてどのようなトークスクリプトを用意すべきか、「切れない」時間である絶対的に大切な最初の20秒間で何をどう話すか、などなど経験や実験に裏打ちされたテレアポの方法論が非常に興味深く非常に参考になった。

また、最後の方の部分で、具体的なシナリオ作りのためのコンテンツも用意されており、テレアポを始める前の情報整理にもかなり使える内容となっている。

話し下手から営業講師にまでなった筆者の体験談も非常に参考になる。世界一やさしい、という冠通り、テレアポをこれから始めようという人から、中級レベルの方まで手にとって損はしない一冊だと思う。


詳しくはこちら:【レビュー】世界一やさしいテレアポ&電話営業の本 赤嶺哲也


お客が食いつく!アポ取りトーク術   中島孝志

PHP研究所や東洋経済新報社を出て独立し、経済評論家、ジャーナリストと活躍されている中島孝志さんによるアポ取り指南本。

著者いわく「アポ取り」のイロハから裏技、掟破りのアポ取り法までを網羅した「史上最強のアポ取り本」だとのこと。テレアポについても詳しく書かれている。

アポ取りの価値について再認識させてくれる(すべての仕事はアポで決まる。)とともに、どうやって「アポの壁」を乗り越えてアポ取りを進めるかの具体的なノウハウ(アポが取りやすいトークの秘密、電話恐怖症の克服方法、等々)が詳述されている。

2007年の本ではあるが、今でもかなり人気の一冊。アポ取得・テレアポについて基本から学びたいという方にはおすすめできる一冊。


詳しくはこちら:【レビュー】お客様が食いつくアポ取りトーク術 中島孝志


誰よりも売る!アポ取りの達人  渡瀬 謙

こちらも元リクルートの営業マンの方。ただ、3の著者と違うのは、リクルートにありがちなマッチョな営業というよりは、どちらかというと今の言葉でいうと草食系の営業指南をしているところ。一貫して、テレアポが嫌いだからこそ、いかにテレアポの負荷を減らすか、という視点で書かれている。

筆者が提唱するアポ取りの手法が「TFTアポ取り法」。

TEL・・・ニーズの確認/資料送付の許可/担当者名を聞く
FAX・・・資料送付/事前に業務内容を伝える
TEL・・・担当者にニーズの確認/アポを取る

これをすることで、売り込みすることなく、負荷の低い形で、精度の高いアポが取れるとのこと。 なんだかんだ言っても、時代の変化もあり、アポが取りづらくなっている現実もあり、その現実にいかに対処するかという意味で勉強になる本。


詳しくはこちら:【レビュー】誰よりも売る!アポ取りの達人 渡瀬謙


「資料送っておいて」と言われたらチャンスと思え! 大塚 寿

副題は新規開拓営業が楽になる45のコツ。著者の大塚さんはリクルート出身で法人営業バイブルなどの著書でも有名な法人営業のコンサルタントの方。

法人営業の場合、テレアポの関門の一つに「資料送っておいて」とお客さんに電話口で言われることがある。この場合、濃くは無いにせよニーズが多少なりともある場合があるので、チャンスと考えることもできる。

では、どう切り返してアポにつなげるのか?例えば、「資料の心臓部はコンプライアンスに関わるような部分があるので、詳細はお会いしてお話しさせて欲しい」といった切り返し方が書かれている。

同書は「資料送っておいて」という言葉に対する方策やテレアポリストの作り方、その他の新規開拓営業のコツが多数書かれていて参考になる。


詳しくはこちら:【レビュー】「資料送っておいて」と言われたらチャンスと思え!大塚 寿


いつも目標達成している人のテレアポ術  富田 直人

筆者はネット広告代理店やテレマーケティング、マーケティングオートメーションシステムでビジネスをしている企業の社長で、元々はリクルートで営業をやっていた方。この本を読むとリクルート式のテレアポ術が分かる(まあ、リクルートであってもそんなに突飛なことをやっているわけではないが・・・)。

この本も1のできる人に学ぶテレアポの極意同様に”主導権は自分にある”とあった。

また、経営者の方だけあって、広い視野でテレアポ論を展開されている。





電話営業力  北原 千園実

著者は電話営業専門コンサルタントの北原千園美さんという方。経歴が興味深く、元々波乱万丈な人生の中で、高野山系のお寺の電話相談とカウンセリングをしたことがきっかけで、電話を使った営業や、マナー関連のコンサルタントをしている方である様子。

その出自とも関係があると思われるが、電話という相手の姿が見えない状況で、いかに相手と自分の心を交わすか、そういったことについての方法論や心構えが厚めに書いてあるのが印象に残った(具体的には、”「商品を売る」という意識を捨てる”だとか、”波長を合わせ、揺らしをかけ、相手の意識を高める””買う気になるのは理性よりもまず感情”、、、といった部分がなかなか良かった。)。

あとがきから引用すると、、
電話営業を制するのは、その場の感情に動じない綿密な戦略と、拒否や断りにも負けず前に進んでいく情熱、そして美しいものを美しいと感じる心の感性、、、




常に結果を出すテレアポの技術 黒川 拓

営業力で有名なインテリジェンス(現在はパーソルという社名になっている)の営業マネージャーによるアポ取り指南。「断りを前提としてその後の展開を考えておく」だとか、「テレアポした際の不在理由を記録する」とか、具体的で現場感のある話が多く、参考になる。スランプからの脱出方法なども存在。




営業  冨田和成

著者は野村證券を経て、ZUUという金融系ベンチャーを立ち上げた方。仮説営業を実践することをテーマに書かれた良書。

営業アプローチの中でのテレアポのコツが書かれており、興味深い。飛び込みとテレアポをどう使い分けるか、受付をどう突破するか、などが具体的に書かれている。

テレアポや受付突破のパターンとしては、自分と相手(担当者や経営者)の関連性を感じてもらう、提案と相手のニーズとの関連性を感じてもらう、のどちらかであることがほとんどだとのこと。頭を使ってアポにつなげる、その方法論を学びたい。


詳しくはこちら:【レビュー】冨田和成 営業


転職間もない保険セールスマンに贈る断られないテレアポとアプローチトーク  西 一俊

タイトルの通り、転職間もない駆け出しの保険営業の人に向けて書かれた本。「行くところが無い」とならないようにするために、アポをどう取るか、その手段としてのテレアポが具体的なトークスクリプトと一緒に書かれている。

しかもその内容がかなり繊細(前職の取引先の人にどうテレアポをするか、といった視点で書かれているということもあるが。)。お客さんの断りをどうするりと交わすか、そのテクニックがかなり詳しく書かれている。テレアポの一つの形として、保険営業以外でも参考になる内容だ。




トップセールスマンになる!アポ取りの達人 津田 秀晴

「営業は見込み客づくりとアポ取りが8割」ということをテーマにテレアポだけではなくアポ取り全体についてトップセールスのノウハウを紹介しつつ方法論を語っている本。

テレアポは確率論なのでコール件数は大切、熱心としつこいの紙一重の違いを理解しつつもういらないと言われるまで定期的に情報提供を行う、断られたとしても期間を置いて二次コールをすることが大切、テレアポ時は他社とは異なる自社の持ち味を明確に伝えられるようにする、などなど、アポ取りのテクニックが知りたい人にはお勧めできる内容。




ストレス「ゼロ」のテレアポ成功術 川島亮一

この本の主題はテレアポというよりも、テレアポ前に”ターゲットする人たちの行動パターンから、どのようにアプローチすれば商品を知ってもらえるかを考え”ること。

筆者のメインの方法は企業の問い合わせページに相手が興味を持ちうるEメールを送り、その反響でテレアポを行うというもの(興味の有無をテレアポ前にメールを送ることで判別)。ターゲットが中小企業だということもあるのだろうが、この方法であれば、ある程度興味のある方に向けて楽にテレアポができるというのは納得できる。

なお、ターゲットによってEメールがいいのか、ダイレクトメールがいいのか、方法を変えるべきであるということは書かれている。テレアポを成功させるために、その周辺の仕掛け作りが大切であるということを再確認させてくれる一冊である。



ピアノやバイオリンの練習と同じように、しばらく間をあけると忘れてしまうのがアウトバンド活動。上に挙げた書物は、感覚を取り戻したい時にもかなり使えると思う。まだまだ情報収集中のため、随時更新させてもらいます。

次はこちらも是非

www.hon-mode.com


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最終更新日:2024年7月20日