営業本マニアックス

法人営業やテレアポなど、さまざまな営業のテーマに関する本を取り上げ、おすすめのタイトルをリストアップしてゆきます。

【レビュー】「本物の営業マンの話をしよう」を読んで

 

営業名著おすすめ12選中の一冊。

 

今回は佐々木常夫氏の著書「本物の営業マンの話をしよう」を紹介する。

 

著者の佐々木常夫氏は、1969年東レに入社後、取締役、研究所所長を歴任。その傍ら経団連理事、政府の審議会委員を務めるなど、多岐にわたり活躍している。

 

そんな佐々木常夫著の「本物の営業マンの話をしよう」は営業マンの本質とは何か?はたまビジネスマンとはなにか?を考えさせられる内容になっている。

 

まず、驚いたのは営業について語っている著者である、佐々木常夫本人は営業を経験したのは、たったの2年間だけということ。どっぷり営業畑で戦っているビジネスマンからすると、「2年間でなにがわかる」と思うかもしれない。

 

実際に私も一営業マンとして、同じ気持ちで最初は読み進めていた。

しかし、本書を読み終わる頃には、その気持ちは大きく覆されることになる。

 

それは、なぜか?

 

本書での内容はこんなことが記されている。

・とことん相手のことを考える

・社内営業を身につける

・相手の求めていることを察知する力を身につけよ

・人は自分を磨くために働く

 

こうやって羅列するだけでも、一つ共通点がある。

 

仕事(営業)というのは対に「人」があってこそということ。

 

そう、この本書はとにかく、前述でも書いた通り、ビジネスマンとして営業マンとして、はたまた人間としてどうあるべきかを見直すきっかけになる根本的な内容がふんだんに盛り込まれている。

 

この記事を読んでいる多くの方が「相手があってこそなんて当たり前」だと思うかもしれない。私もその中の一人だった。

 

しかし、仕事をしている自分を想像してみてほしい。

 

あなたは、本当にとことん相手(お客様)のことを考えて、毎日仕事をしていますか?

 

普段提案しているその商品を、陰で頑張って生産している人がいるということを、考えて営業出来ていますか?

 

常にアンテナを張り巡らせて、例えば相手の会社に出向く際に、相手にとって有益な情報が載った新聞の切り抜きをポケットに忍ばせて、気持ちを察知するための準備ができていますか?

 

人を愛して、相手に傷つけられることがあっても、それでもの人を愛し、自分を磨いて仕事が出来ていると自信をもって言えますか?

 

本書を読んで私自身も、営業をやっていくなかで話術だったり、資料の見やすさだったり小手先の技術ばかりに、目がいきがちだったと痛感させられた。

 

著者が最終的に伝えたいことは一つ。

 

・本物の営業マンは、人を幸せにする営業マン

 

このことが、簡単そうで簡単ではないということが本書を読めばより難しいことが分かる。これが、出来ていればビジネス本なんてものは読まなくていいし、すべての営業マンが出来ていれば、世の中ハッピーな会社ばかりになる。

 

果たして、著者はこの本質的な答えに、2年間という短い期間で行き着いたのでしょうか?

 

いや、そんなことはなく著者の佐々木常夫の築き上げた「人間力」の最たるものだと私は思う。

 

そう、人間力なのだ。

 

結局なにが言いたいかと言うと、営業マンとはたくさんの人と関わることが出来る仕事。

 

真摯に多くの人の幸せを考えて、行動し、人として当たり前のことをし、人間力を高めていく。「本物の営業マン」に近づける近道はそれしかありえない。

 

本書は、ビジネスの原点のみならず、自分自身の根本的なところから見つめ直させてくれる、著者の人間味がにじみ出た、良書だ。

 

ページ数も200ページほどで、普段本を読まない方にも読みやすく、要所の具体例やたとえ話、自身の体験談なども非常に感情移入しやすく、気づけば読破している、そんな一冊になっている。



この書を読むことで、営業マンだけでなく、すべてのビジネスマンにも仕事とはなにか?人を幸せにすることとはなにか?を気づかせてくれる。

 

自分のキャリアに大いに役立ててほしい。

 


「本物の営業マン」の話をしよう (PHPビジネス新書)

 

「本物の営業マン」の話をしよう目次

第1章 あなたは本物の営業マンか
第2章 事実をつかむことからはじめよう
第3章 鍛えるべきは社内営業力
第4章 “人柄のよさ”だけでは戦えない
第5章 顧客を幸せにして、自らを磨ける仕事

 

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