ジョージアの「世界は誰かの仕事で出来ている」というキャッチコピー。
この言葉すごく素敵な響きですよね。
「言葉にできるは武器になる」は先ほどのコピーをはじめ「バイトするならタウンワーク」など数々の言葉を世間に広めたコピーライター梅田悟司さんが書かれた本です。
本書のテーマはどのようにして人の心に響く言葉を生み出すかです。
本書のタイトルである「言葉にできるは武器になる」は営業という仕事にすごくぴったりな言葉だと思います。
なぜなら営業にとって一番の武器は言葉だからです。
改めて考えてみれば営業に求められる人間関係構築力やプレゼン力のベースとなるのは全て言葉です。
商談でも交渉でも言葉を通してビジネスを進めていく営業の仕事は言葉を扱う商売と言っても過言ではないと思います。
営業職である私が言葉について本書から学んだ点は2つあります。
1つ目が言葉について正確に理解する事 2つ目が言葉の磨き方です。
1つ目の要点は以下の4つです。
- 言葉には外に向かう言葉と内に向かう言葉の2種類ある
- 外に向かう言葉ばかり皆気にするが、自分の意見を育てるという内なる言葉の役割が疎か
- 言葉は思考の上澄みに過ぎない
- 思考の深化なくして言葉だけを成長させることは出来ない
つまりなぜ相手の心に響く言葉が発せられないのかの問いに対する答えはそもそも考えが浅いからというのが本書の答えです。
考えた時間の単純な積み重ねではなく、正しく内なる言葉と向き合った思考量があってはじめて心から伝えたいことが生まれ言葉に変化が現れる、とも書かれています。
私はこの文章を読んで話術で負けていたと思っていた同期に対して私が本当に負けていた点は思考量だったという事実に気づけました。
次に私が本書を通して学んだ言葉の磨き方についてご紹介します。
具体的にどのようにすれば言葉を武器にできるかは言い換えればいかに考えを深化させられるかです。
やるべきことは2ステップで、1ステップ目が一旦頭の中の考えを紙に書き出して目に見える形にすることです。
2ステップ目が「なぜ?」「それで?」「本当に?」の3つを繰り返して内なる言葉を深化させることです。
考えを深化させるためにすることはたったこれだけのシンプルな手順です。とてもシンプルなのですが実践されている方は少ないのではないかなと思います。
私も今まで頭の中だけで組み立てを完結させて、中々紙に書き出しということはしないまま仕事をしてきました。
またこの方法を知っても、書き出して考えを深めていく作業は結構面倒な作業でもあるので、そこを面倒くさがらずにやりきれるかどうかも言葉を武器に出来るのかどうかの分かれ目なのだと感じました。
私自身の感想でいえば、「商談時間と事務作業の時間配分の理想」や「後輩への商談指導方法」などを上の2ステップを使って考えてみましたが、結構早めに書き出しが終わってしまったというのが実感です。
色々日々悩んで、考えを広げていたつもりですが書き出してみるとすぐに頭の中にあった考えを書き終えてしまい、深く考えられていなかったことが明らかになるのを実感しました。
逆にどんどんアイデアは湧いてきて書き出しはできるけど、グルーピングが出来ないという方もいらっしゃるかもしれません。
思考のタイプによってもつまずく場所は変わると思いますがなぜわざわざ書き出すのかといえば考えているつもりが同じことをずっと考えていた、考えているつもりが思い出しているだけだったということを避けるためです。
そして「なぜ?」で考えを掘り下げ、「それで?」で考えを進め、「本当に?」で考えを戻すというサイクルを繰り返すことで言葉が磨かれていきます。
やってみると結構頭が疲れる作業ではありますが、だからこそ意義があるのだなとも思いました。
最後にまとめとして、本書は営業職のためだけに書かれた本ではないのですが言葉を考えるとてもよいきっかけとなる本でした。
これからも言葉を磨いて、お客様との信頼関係を作れる営業ウーマンになりたいなと思えたのと同時に「言葉を究める」という宿題をもらったような気がした本でした。
言葉にできるは武器になる。目次
1 「内なる言葉」と向き合う
2 正しく考えを深める「思考サイクル」
3 プロが行う「言葉にするプロセス」
戦略1 日本語の「型」を知る
戦略2 言葉を生み出す「心構え」を持つ
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