営業名著おすすめ12選中の一冊。
前々からトライしていたのだが、全部読み切ることはなかなかできていなかった同書、最強の営業法則(旧名:私に売れないモノはない!世界No.1セールスマンが明かす「必ず売れる」セールステクニック) ジョー・ジラード を読んでみた。
トライした後もちょくちょく色んなメディア等でセールスの良書として取り上げられており、目に触れる機会が多かったのがきっかけ。 保険販売員によるものが多いセールス本の中で、少し珍しい自動車販売のプロによる本。
著書のジョー・ジラードは、イタリア(とくにシチリア島出身)移民のアメリカ人。
人種差別や父からの虐待など、子供の頃から不遇で、高校を退学後、約40余りの仕事につくもののぱっとせず、最後は騙されて家族を食うに困るほどになるなど、”負け続け”の人生を送っていたが、たどり着いたシボレーの販売代理店のセールスの仕事でチャンスを得て、12年間に渡りギネスブックの「世界No.1のセールスマン」に認定され、引退後セールスに関するコンサルや講演等を行っている人物。
本書を一言で言うと、プロのセールスマンが、自分のセールスの秘訣について、その半生記も含めて語る、というもの。
そして、本書の前提には、冒頭のこの一文がある。 「約束しよう。私にできたことはあなたにも必ずできる。それを信じようとしない、最も難しい客であるあなたに、本書でそれを納得させてみせよう。」
上の通り、この本には、常人ではできない、、、というような内容は少なく、我々でも再現出来そうな内容が書かれている。(ただ、良く言われるように、できることと、実行できることは違うということが、ジラードの凄さを読みとることができる鍵でもあるのだろう。また、彼の苛烈な体験が、世界一の原動力になったという側面も無視でき無さそうではある。)
この本で特に印象に残った部分を抜粋してみることにする。
私流のトータルな販売システムは、一年中いつも何かが育っている農園のようなものだ。私のシステムでは、種まきに似たことをたくさん行う。常に種をまき、常に収穫する。そして一台販売(収穫)したら、また別の種をまく。ひたすら種をまき、収穫する。これをどの季節も続ける。これ以上の方法はない。私が保証しよう。
住宅販売より、むしろ飛び込みで靴磨きをしたりトラックの荷台で野菜を売ったりしていた時の方が、商売について多くを学んだと思う。相手が飲み屋の酔っぱらいでも道行く主婦でも、人に注目され気に入られることが、儲けるために、いや、そもそも物を買ってもらうために大事なことだった。
p50
どもりが治ったばかりではなかった。コミュニケーションの基本、つまり人の話をよく聞き、一語一句を慎重に選んで話すことが身についた。
P53-54
強く望むこと、そして自分の望みが何であるかを知ること、それがセールスマンとして成功するためのほとんどすべてだ。
p81
ビジネスを育てるためにいろいろとやっていけば、ビジネスは育ってくる。完璧にやらなくても結果は出せる。もちろん、うまくやればやるほど結果はよくなる。しかも肝心なのは実行すること、それも数多く実行することなのだ。
p85
見込み客を見つけるには、売り込み電話よりも効果的な方法はいくらでもある。それでも、他にもっとよい方法がないときは、この方法をやってみる価値はある。
p88
セールスは、スパイゲームだ。誰かに何かを売ろうと思ったら、その人に関して役に立つと思われるあらゆる情報を収集するのだ。
p89
ずらりと並んだ有望な見込み客の名前ほど、セールスマンが持つ価値のあるものはない。見込み客リストが大きかろうと小さかろうと、あなたが何らかのほうほうで見込みがあると判断した人々のリストであることに変わりはないのだ。
p108
重要なのは、そこに人間がいる限り、見込み客はいる、ということだ。そして自分の存在と職業をしってもらえれば、それが顧客を開拓していることになる。
p150
自分を知る上で、自分の見方と取引相手の見方との違いを理解することほど大事なことはない。それは相手と敵対する立場に立ってはいけないからだ。あなたと顧客との距離を縮め、最終的には無くてしてしまうことが必要なのだ。両社は同じ側に立たなければならないし、どんな方法であれ、その舵取りはあなたがやらなければいけない。
P163
セールスの場ではあなたは役者だ。これを常に念頭に置いておくこと。役者にとって一番大事な資質は間合いだ。
p163
試乗が重要なことはすでに述べた。それは商品の一部分を分けてあげているのと同じだ。一種の無料サンプルだ。この時客が残りも全部欲しくなるように存分に与えなければならない。
p268
あなたにもできる。私の出発点を思えば、私にできたことはおよそ誰にでもできる。しかし、そのためにはそうなりたいと思われなければだめだ。頭のよさやクロージングのうまさでは、私と同じくらいか、それ以上のセールスマンは大勢いる。しかし、誰でもやればできることなのに、私のようにプロセス全体を組み立てている人はいない。
各所になるほどーーというセールスのコツが散りばめられていて参考になる。
その中でも、あらゆる場面で見込み客を作ろうとする努力と、それにも関連するが、アフィリエイト的な販売パートナー施策を中心としたしっかりとした販売システムの構築、お客さんとの心理的な壁の越え方とそれに関連したクロージングの方法、といったところにプロセールスマンの凄みを感じた。
世界一売った、ということは世界一見込み客を多く作り、クロージングすることができた、と捉えていいだろう。 販売の分野の世界一のプロフェッショナルに学ぶことができる、セールスに携わる人にとって非常に価値ある本だと思う。
最強の営業法則目次
敗け続けた人生の終わり。勝ち続ける人生の始まり
「欲求」それがすべての始まり
売り手も人間。買い手も人間
ジラードの二五〇の法則
「仲良しクラブ」は時間のムダ
身内に売り終わった後、誰に売る?
観覧車の席を絶え間なく埋め続ける
ジラード流、商売道具の使い方
ダイレクトメールを読ませる効果的な手法
顧客をつかむには顧客を使う〔ほか〕
→まだまだ売る気があるみたいです。
※上のホームページを見ていたら、下の著書(営業の神様)も出て来ました。健康を大切に!とか語られている(しかも気合でダイエットした体験談等もある)らしいのですが、続編的な位置づけでちょっと注目したいと思います。
続いてこちらもどうぞ
Twitterでも継続的に情報発信中。是非フォローをお願いします!