営業本マニアックス

法人営業やテレアポなど、さまざまな営業のテーマに関する本を取り上げ、おすすめのタイトルをリストアップしてゆきます。

営業本をランキング形式で一挙公開 11〜20位

営業クロージング

 

営業本おすすめの28冊の10冊に続き今回は11位〜20位となります。

 

11.無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」 高橋浩一

営業において、顧客と売り手の間で生じる「ズレ」が売れない原因を作る。その「ズレ」をどう解消して、販売を成功させていくのか、その鍵となる4つの力、「質問力」「価値訴求力」「提案ロジック構築力」「提案行動力」とは何かを中心に、多数のデータも使いながら詳しく書かれている(特にお客さんが商談の各段階で考えていることがデータされていて面白い。)。

 

ズレを埋めれば受注が取れる。考え方としては単純明快。ではそれをどう実現するか、それについてのヒントが散りばめられている。 最近販売された営業本の中では、最高の人気を誇る一冊。

 

 

 

 

12.「営業」を設計する技術 藤冨 雅則

主に経営者や営業管理職向けに営業の売れる仕組みづくり(「波及営業法」)を説いている本。

波及営業法は、競争せずに勝てる市場を見つける方法から、迅速に新規開拓を進めるための具体的かつ実践的な営業戦略の組み立て方までを、設計する技術

 だとのこと。

 

自社の強みをどう捉え、どこに狙いを定め、何の武器を持ってどう攻めればいいのか、ということが書かれていて、闇雲な営業を戦略の伴ったそれに変えるために具体的な指南がなされており、自社の営業戦略について考える際の参考になる。また、新規事業立上げ等の際にも示唆に富む内容となっている。

 

個人的には商談技術を極限まで高めるに書かれている、提案書の重要性についての内容なども改めて勉強になった。 

 

13.絶対達成する部下の育て方 横山信弘

”年間5000人を変える現場コンサルタント”横山信弘氏の目標必達の営業組織作りを書いた本(副題は稼ぐチームに一気に変わる新手法「予材管理」)。

 

営業活動において見込みだけではなく、具体的になっていない部分までしっかり指標化して管理してゆくということを中心とした方法論(予材管理)は、自分の経験からしても合理的で、納得がゆき、現場の営業マンにも非常に参考になる。

 

横山さんの動画があったので、ご紹介。思ったよりもマイルドな風貌ですね。もっとバリバリな感じの方と思っておりましたが、、、



 

14.誰でも売れる「プロセス思考」営業術 藤岡晋

センサー等技術系の部品販売等で有名なキーエンスのトップ営業マンとして活躍し、現在営業戦略立案のコンサルタントをしている筆者による法人営業指南の書。

 

行き当たりばったりの営業ではなく、プロセス思考を持って、素早い効果検証を伴った営業活動をすることが大切、ということを中心に法人営業成功のコツを教えてくれる実践的な営業本。

 

* 案件や商談を決める確率を上げるよりも、案件や商談を増やすことを考えたほうが、売り上げを伸ばし続けられる

 

「お客さんを増やす」「数字で考える」が法人営業では欠かせない コールドコールの重要性 一つの企業=顧客、ではなく担当者一人を「個客」と捉えることで、取引先を大幅に広げることが可能

 

法人営業にセールストークは必要ない 売れない顧客の所にはできるだけ行かない。そのために事前の電話でのヒアリングをしっかり行う。

 

それで訪問数が減るというならば、アポイントをとる前の電話を増やす 、、など具体的かつ核心をついた話が多く、非常に参考になる。

 

15.私に売れないモノはない! ジョー・ジラード

あらゆる場面で見込み客を作ろうとする努力と、それにも関連するが、アフィリエイト的な販売パートナー施策を中心としたしっかりとした販売システムの構築、お客さんとの心理的な壁の越え方とそれに関連したクロージングの方法、といったところにプロセールスマンの凄みを感じる12年間に渡りギネスブックの「世界No.1のセールスマン」に認定されたジョー・ジラードの名著

 

 

16.世界最高位のトップセールスマンが教える営業でいちばん大切なこと 小林 一光

プルデンシャル生命で営業マンとして、営業マネージャとして世界トップクラスを取り、その後独立した筆者による営業指南の本。

 

営業マンとしてどん底の状態からどうやってトップまで上り詰めることができたのか、その秘訣が書いてある。

 

営業プロセスの中で営業が自らコントロールすることができるのは見込み客の発掘からアポイントまでだとし、そこに営業活動の8割を割くべきだと説かれており、営業の本質を考えるのにも最適。

 

トップセールスが持つべき心構えや、上質な見込み客を見つけるために、飲み屋はチェーン店ではないところへ、だとか平日の昼間にジムに通うといった筆者ならではの見込み客づくりの方法も参考になる。

 

17.営業で1番になる人のたった1つの習慣 森功有

営業で1番になる人のたった1つの習慣としてのトップアプローチについて、具体的な方法が書かれており、トップとはゆかなくても、営業集客を考える上で非常に参考になる本。個人的にはアポ取り力の重要さ、ということを思っており(また、まだまだ課題としても抱えており)、非常に示唆に富むいい本だった。

 

以前からタイトルを目にして気になっていた本。大手の銀行で一般職で窓口業務からはじめ、その後金融商品の営業になり、497日連続で受注を取り、現在は独立して営業コンシェルジュとして活動している高橋彩氏の営業指南書。

 

アポイント取得や、顧客についての情報収集、顧客への情報提供などを非常に精力的に・適確に実施しており、同時代に生きるできる営業マンとして、非常に参考になる(題名はだてではない。)。上のジョー・ジラードの本などと比較しながら”顧客作り”ということを考えながら読むと良さそう。

 

著者の動画があったのでご紹介。

 

 

 

 

19.凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク  佐藤昌弘

 2003年に出た本ではあるのだが、いまだに結構人気がある本。セールストークというタイトルになっているが、本質はどう聞くかというヒアリング術について書かれた本だ。

 

お客様の本音に迫るためにどんな質問をするか、4つのステップ(総称して「魔法のセールストーク」と言われている。)。お客様の真意を聞き出し、最大限の提案をするというのが、凡人から最強営業マンへの道。

 

ウリウリの営業から脱却するために参考にしたい本。

 

 

 

20.営業は感情移入 横田雅俊

「営業センスとは顧客に感情移入する力である」とし、感情移入とは何かを詳述している本。 筆者の言う感情移入とは、 > 他の人の状況・立場・感情・動機を感じ取り、理解すること > 自分を相手の立場に置き、感情を分かち合う能力 とのこと。実体のつかみにくい”営業センス”とは?を考えるのに役に立つ本。

 

こちらの営業本シリーズも是非

名著の呼び声高いおすすめの営業本9冊を紹介 

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言葉にできるは武器になる。梅田 悟司を読んで 

 

ジョージアの「世界は誰かの仕事で出来ている」というキャッチコピー。
この言葉すごく素敵な響きですよね。


言葉にできるは武器になる」は先ほどのコピーをはじめ「バイトするならタウンワーク」など数々の言葉を世間に広めたコピーライター梅田悟司さんが書かれた本です。

 


本書のテーマはどのようにして人の心に響く言葉を生み出すかです。


本書のタイトルである「言葉にできるは武器になる」は営業という仕事にすごくぴったりな言葉だと思います。


なぜなら営業にとって一番の武器は言葉だからです。


改めて考えてみれば営業に求められる人間関係構築力やプレゼン力のベースとなるのは全て言葉です。

 

商談でも交渉でも言葉を通してビジネスを進めていく営業の仕事は言葉を扱う商売と言っても過言ではないと思います。

 

営業職である私が言葉について本書から学んだ点は2つあります。

 

1つ目が言葉について正確に理解する事 2つ目が言葉の磨き方です。

 

1つ目の要点は以下の4つです。

  • 言葉には外に向かう言葉と内に向かう言葉の2種類ある
  • 外に向かう言葉ばかり皆気にするが、自分の意見を育てるという内なる言葉の役割が疎か
  • 言葉は思考の上澄みに過ぎない
  • 思考の深化なくして言葉だけを成長させることは出来ない

 

つまりなぜ相手の心に響く言葉が発せられないのかの問いに対する答えはそもそも考えが浅いからというのが本書の答えです。

 

考えた時間の単純な積み重ねではなく、正しく内なる言葉と向き合った思考量があってはじめて心から伝えたいことが生まれ言葉に変化が現れる、とも書かれています。

 

私はこの文章を読んで話術で負けていたと思っていた同期に対して私が本当に負けていた点は思考量だったという事実に気づけました。

 


次に私が本書を通して学んだ言葉の磨き方についてご紹介します。

 

具体的にどのようにすれば言葉を武器にできるかは言い換えればいかに考えを深化させられるかです。

 

やるべきことは2ステップで、1ステップ目が一旦頭の中の考えを紙に書き出して目に見える形にすることです。

 

2ステップ目が「なぜ?」「それで?」「本当に?」の3つを繰り返して内なる言葉を深化させることです。

 

考えを深化させるためにすることはたったこれだけのシンプルな手順です。とてもシンプルなのですが実践されている方は少ないのではないかなと思います。

 

私も今まで頭の中だけで組み立てを完結させて、中々紙に書き出しということはしないまま仕事をしてきました。

 

またこの方法を知っても、書き出して考えを深めていく作業は結構面倒な作業でもあるので、そこを面倒くさがらずにやりきれるかどうかも言葉を武器に出来るのかどうかの分かれ目なのだと感じました。


私自身の感想でいえば、「商談時間と事務作業の時間配分の理想」や「後輩への商談指導方法」などを上の2ステップを使って考えてみましたが、結構早めに書き出しが終わってしまったというのが実感です。

 

色々日々悩んで、考えを広げていたつもりですが書き出してみるとすぐに頭の中にあった考えを書き終えてしまい、深く考えられていなかったことが明らかになるのを実感しました。

 

逆にどんどんアイデアは湧いてきて書き出しはできるけど、グルーピングが出来ないという方もいらっしゃるかもしれません。

 

思考のタイプによってもつまずく場所は変わると思いますがなぜわざわざ書き出すのかといえば考えているつもりが同じことをずっと考えていた、考えているつもりが思い出しているだけだったということを避けるためです。

 

そして「なぜ?」で考えを掘り下げ、「それで?」で考えを進め、「本当に?」で考えを戻すというサイクルを繰り返すことで言葉が磨かれていきます。

 

やってみると結構頭が疲れる作業ではありますが、だからこそ意義があるのだなとも思いました。


最後にまとめとして、本書は営業職のためだけに書かれた本ではないのですが言葉を考えるとてもよいきっかけとなる本でした。

 

これからも言葉を磨いて、お客様との信頼関係を作れる営業ウーマンになりたいなと思えたのと同時に「言葉を究める」という宿題をもらったような気がした本でした。

 


「言葉にできる」は武器になる。 (日本経済新聞出版)

 

言葉にできるは武器になる。目次

1 「内なる言葉」と向き合う

2 正しく考えを深める「思考サイクル」

3 プロが行う「言葉にするプロセス」
 戦略1 日本語の「型」を知る

 戦略2 言葉を生み出す「心構え」を持つ

 

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「世界は感情で動く 行動経済学から見る脳のトラップ」を読んで

過去の読んだ営業をテーマにした本

「世界は感情で動く 行動経済学から見る脳のトラップ」

 

営業1年目に上司が「営業マンは人の感情に敏感でなければならない」「人がどう考えるかを研究しなければいけない」と勧めてくださった本です。

 

30以上の具体例から、人間がどのように物事を考えるかが分かりやすく説明されています。



そしていかに人間が偏った判断をしているかも学ぶことが出来、この事実は営業をしていくうえですごく大事な気づきになりました。



この本は例えば鉛1キログラムと綿1キログラムどちらの方が重いですか?(当然同じ重さだが使われる言葉が選択を左右するという例)



その子の友達の父親がピストルを1丁持っていることを知った時と、その子の友達の家の庭にプールがあるのを知った時とどちらの方が安心していられるか?

 

(死亡率という統計でみれば銃弾よりも溺死が3倍近く高いのだが、ピストルという言葉の強さが判断を誤らせるという例)など読みながら、質問形式で実際に自分も錯覚を体感することができる構成になっているのが特徴です。



350ページ、30の実例の中で仕事中でも思い返せていたのは5~6個ほどですが、それだけでも営業する上でとても良い武器になりました。



この本を通して自分が実際に学び、役に立ったポイントは2つあります。



1つ目は相手に正しく思いを伝える大切さと難しさに気づけたことです。

 

自分が売り手として相手と接する際にもったいないのは相手のバイアスにより正しく伝わらないという事態です。

 

そして営業力の能力の中でも正しく伝わらないという事態を避けながら相手の期待値をコントロールする能力はかなり重要な能力として位置づけられると思います。

 

コントロールなのか言葉のレトリックなのか境目は曖昧なのですが、このハンバーガーには30%の脂肪が含まれると説明するか、このハンバーガーの70%には脂肪が含まれていないと説明するかによって伝わり方は大きく異なります。

 

冷静に考えれば同じことであり、2つとも同一のもので、原材料を変更したわけでもありません。

 

しかし言葉の響きが違うという所が大きなポイントであり、それが錯覚を誘発させます。

 

こうしたちょっとした言葉を普通の人よりも繊細に扱うワードセンス、そしてその感性を磨く努力と気遣いが聞く相手にプラスをもたらし、結果売り手である私達の売上につながります。

 

 

 

もう1つこの本を読んでいて良かったなと思うのが、自分が買い手であった場合です。

 

これはこの本を読んでいると実に大きな力を発揮します。

 

当然ビジネスは仕入れ値と売値の差分が自分の営業成績になりますので、いかに適正価格で仕入れられるかも営業成績を左右する大きなポイントとなります。

 

この本の知識さえあればアンカリング効果や利用可能性の法則(起きる頻度を統計数値ではなく思い起こしやすいかできめてしまう)などを駆使して売り手が言葉巧みに仕掛けているのを気付くことが出来るようになります。

 

これは本当に知っているかどうかの違いだけで、知ってさえいれば結構ピンとくるようになりました。

 

もちろん売り手もだますつもりはないと信じていますが、耳に心地よいトークを冷静に見極めるという習慣がこの本を通して身につけることが出来ます。

 

 

記憶の錯覚や評価の錯覚など、人間多かれ少なかれバイアスがかかって物事を見ますがまずはそうした事実を知ることがコミュニケーションの一歩であると学んだ本です。

 

 

最後に、

この本のタイトル通り世界は「感情」で動きます。

 

どれだけ良い商品提案をして、どれだけよいプレゼンが出来たとしても発表者本人である営業マンが先方の担当者に嫌われていればそれだけでバイアスがかかり自分よりも魅力の低いプレゼンをした他社に負けることもあります。

 

 

営業は人という言葉も良く聞きますが、相手が感情で判断する分、小さな約束もしっかり守り信頼関係を重ねながら、自分のプレゼンが正しく伝わる土壌を普段から作っておくという基本中の基本も改めて大事だなと感じさせられた本でした。

 

 


世界は感情で動く : 行動経済学からみる脳のトラップ

 

世界は感情で動く 行動経済学から見る脳のトラップ目次

はじめに―「脳のトラップ」を知ろう

パート1 まずは心の準備体操

パート2 あまりに人間的な脳

パート3 集団のなかでの困った判断

パート4 いざ、決断のとき

 

次はこちらをどうぞ:

【レビュー】トークいらずの営業術 DaiGo

現在は作家、ニコ生主、YouTuber等で活躍している、著者メンタリストDaiGoの『トークいらずの営業術』を読んだので読後の所感を書いていく。

 

 

 

本書のテーマは営業トークより大事な5つの力と題しておりそれは以下の

 

 ①観察力→周囲をよく見る力

 

 ②判断力→顧客に対し、自分はどんな選択肢を選ぶか決める力

 

 ③行動力→何をすべきか決まったら即行動に移す力

 

 ④説得力→相手の決断を後押しする力

 

 ⑤忍耐力→ときには我慢する力



この5つの力を身に着けることによって営業を成功に導くと述べている。

 

 しかし率直に言えばこの5つの力を身に着けるのは精神的にも困難だと言える。

 

一つ一つのメソッドは分かりやすい且つ実践向きではあるが、恐らく心が追い付かないので個人的にオススメなのは、まず自分の能力を客観視した上で、足りないところから実行に移すのが定石だと考えた。

 

 

以下5つの力の簡単な解説

 

①観察力→営業の最初の段階で、相手が「興味をもっているかどうか」、「欲しいと思っているか」を見極めた上で対処法を考える。この2段階を踏むことで、無駄な労力を払わずに済む。

 

 

②判断力→成果を上げるのに重要なのは、「売らない判断」をすること。相手に買わないという意思が見え場合、時間と情熱をかけて売り込むのは成果に繋がらないので、さっさと切り上げて次のお客様を探すこと。

 

 

③行動力→営業成績を上げたいなら、一回でも多く営業して母数を稼ぐこと。営業の成績が悪い人の共通点に試行回数が少ないので、成績を上げたければ戦略を立てるより早めに行動に移す意識を持つことが大事。

 

 

④説得力→説得力を上げる以前に大事な事は、まずは相手の話をとことん聞くと言う事。理由は人は「話を沢山聞いてもらった」と感じると、「今度は相手の話を聞かないと申し訳ない」という感情を持ってしまうから。

      

・見た目を整えるだけで説得力と信頼性を高めることが出来る。見た目を整えるには「顧客に合わせたスタイルをしているか」をチェックする事。例を挙げると、富裕層が相手だと時計や文具などを良いモノに拘るなど。

  

 

⑤忍耐力→・忍耐力を養うためには、正しいストレス解消を取り入れるのが大事。お勧めなのは、瞑想や読書、自然の中での散歩などと言った「癒される活動」を心掛けること。

      

・大きなプレッシャーの所為でストレスが掛かったとしても、それを「自分の成長を促すもの」と解釈すれば、そのストレスを力に変えられる。

     

 

 一番興味深かったのが、営業を成功させる為に必要不可欠なのは、営業トークではないと言う事。

 

私が以前勤務していた営業職では、上司が決まったように、「営業トークを磨くこと、これに尽きる」と豪語していたのをずっと聞いていて、私も営業トークを磨くのは正解だと思い込んでいた。

 

しかし、本書ではそのような固定観念を壊してくれた。営業トークにだけに頼っても、失敗が積み重なったときに、自分の営業トークに自信が持てなくなり、故に自己嫌悪になり成績不振に拍車が掛かってしまう。このような懸念点を知ることが出来ただけでも読んでて良かったとつくづく思う。

 

 

  後、本書を通じて痛感したのは、私たちは根性論で仕事する意識を変えなければいけないということ。

 

率直に言うと、無理をしてまで根性論を振りかざして業務をこなしていくと、次第に心が病んでいきうつ病を患う可能性が高まるので、精神衛生上良くないと考える。

 

元うつ病経験者である私から言えば、うつ病やその他精神疾患を患ってしまった場合は、長期的に療養が必要であり、最悪な場合だと脳機能の低下という後遺症が残る恐れがある。身体は資本だと言われるが、心も同等に重要なので一度根性論の意識を拭って自分を見つめ直してほしい。

 

 ここまでの感想を読んで自分に該当する読者の皆様、今回ご紹介した5つの力を是非身に着けて欲しい。根性論とは対照に、しっかりとした戦略と心理に基づいているので、身に着けていけば徐々に気持ちが安定しつつ営業する事が楽しくなるだろう。

 

 


トークいらずの営業術

 

●トークいらずの営業術

1章 デキる営業はトークに頼らない
2章 「観察力」で情報を引き出す
3章 「判断力」を鍛えて確実に売る
4章 「行動力」でチャレンジ回数を増やす
5章 「説得力」は言い方の技術
6章 「忍耐力」で現状を変える
7章 勝てる営業になる

 

  

【レビュー】お客さまを営業マンにする方法とは? マーケティング界のカリスマが執筆した「口コミ伝染病」 神田昌典

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口コミ

  

営業名著おすすめ12選中の一冊。

 

あなたの会社が90日で儲かる!」で人気を博した、日本を代表する国際的マーケッターである神田昌典さんの名作である「口コミ伝染病」。

 

ユニークな題名が目を引くこの本は、マーケティングだけでなく営業担当者にもぜひ一読していただきたい。

 

お客さまの“感情”にアプローチをかけていく方法に視点を当てた内容は、実際に営業で使える要素が詰まっている。

 

特に読んでほしい方

・マーケティング担当者

・営業担当者

・広告制作や、関連した部署に所属している方

 

この本を通して、

・どのようにお客さまの感情を揺さぶることができるか

・お客さま自身を、営業マンにさせる方法とは

・モノやサービスを売ることにおいて、何が重要なのか

主にこの3点の答えを得ることができる。

 

同じ価格、品質、広告費でも“売れる”商品と、“売れない”商品では何が違うのだろうか。

例えば、電化製品店で炊飯器を買いたいとする。

 

A社(大手)と、B社(まだ知名度が低い)があり、それぞれ値段・機能・サイズ・重さ・デザインも同じとすると、読者の皆様はどちらを選ぶだろうか。

 

きっと多くの方が、A社が選ばれることだろう。

 

なぜなら、「名前が売れているし、みんな持っている。だからきっと美味しいご飯が炊けるだろう」と仮説をたてるからである。

 

「口コミ伝染病」では、このような信用をどう得ていくのか、お客さんは何を持って他者に口コミしたいと思うのかを丁寧に説明している。

 

 

「口コミ伝染病」まとめ

・自分の売りたいものを販売するのではなく、お客さんが欲しいものを販売する

=ビジネスにおいて勝ち組になる要因は、「ニーズを読み取り、変化を楽しむ」

=時期によって使い分ける、感情に働きかける集客方法

=口コミ・紹介こそ無料の広告ツール

 

神田さん曰く、ビジネスの勝敗が決まるのは、能力でも努力でもない。どれだけ「変化対応能力」に長けているかどうかである。

 

適切な時期に、いかにお客さんの感情に商品を訴えることができるかが鍵なのである。

 

将来的に多くのファンを作るよう仕掛け、ファンに商品をアピールしてもらう。基本的だが忘れがちな内容を、しっかりとした根拠とロジックで説明している。

 

・なぜ人は口コミをしたくなるのか

=口コミ5つの常識とは

=口コミが起きにくい業界の対処法

 

口コミが起きる基本的な条件は大体想像がつく(商品を気に入ってもらう、顧客満足度が高いなど)。

 

しかし、口コミが起きにくい業界(例えば葬儀屋など)は一体どのように仕掛ければ良いのか、という難題にもしっかりと例を用いながら回答している。

 

以前に「伝え方が9割」という本が大ヒットしたが、同様の内容が記載されていた。相手にどれだけポジティブな内容として受け取ってもらえるかは、ビジネスにおいてそれだけ重要であるからなのだろう。

 

 

・お客さんが喋りたくなる会社とは 

=口コミはどのようにしたら広まっていくのか

=喋りたくなる感情の引き金は主に7つ

 

口コミが大切なことはわかったが、一体どのように広めていくのか。

 

個人的に、一番興味深いと感じた部分である。心理学的要素を含んでいると感じたが、神田さんの的確なポイントは納得するばかりであった。

 

誰でも持っている、心理的に心地いいと思う部分を引き出してあげることは、営業にも言えることである。感情の引き金となる7つのポイントについては、ぜひ実際にこの本を読んで確認していただきたい。

 

 

・お客さまに喋ってもらい、商品をバズらせる

=口コミコントロール方法

=口コミを伝染させる人を作る

 

この章では、口コミを拡散する仕掛けを理解することができる。

 

どう実践すれば良いのか?気を付けるポイントは何なのか?という質問に対応しているので、実践しやすい。また、1人から多数に口コミを広めてくれるお客さまの作り方のヒントもぜひ参照したい。この本が発売されたのが2001年と少々古く、発達しているSNSマーケティング戦法は多数あるが、口コミの基礎はこの本で学べるのでは、と感じた。



・応用編:口コミしてもらいながら、売上をUPさせるには

=社内で実践できる方法

=お客さま向けに実践できる方法

 

最後の章は、限られた時間の中でも試す価値ありの、口コミ伝染プログラムを紹介している。優先順位の高い方から追って説明しているので、何を始めれば良いのかが明確にわかる。記載されている内容は、営業の売り上げに困っている方々にも注目して見てもらいたいところだ。

 

「口コミ伝染病」:おわりに

先ほどお伝えした通り、2001年に発売された一見古い本である。しかし書かれている内容は現代にも活かせる内容ばかりであった。口コミの基本がしっかりとわかる、現在でも輝き続けるバイブル本だ。

 

基本的なことが多いが、普段の仕事の中で忘れがちになっていることを気づかされるとても良い機会になった。

 

マーケティングだけでなく、“感情”にアピールしていく心理的戦法は営業にも実践できると感じた。実際に実践できるアクションまで詳細に記載されているところも、親切である。

 

変わリゆく時代の中で、口コミされる媒体は進化していくだろう。しかしながら、人物が口コミを発していく限り、神田さんの「口コミ伝染病」に書かれている内容は受け継がれると思わずにはいられない。ぜひ、読んでみて欲しい名作と言える。

 

 

口コミ伝染病

口コミ伝染病

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口コミ伝染病目次

第1章 井戸が枯れる前に水を汲め!
第2章 「口コミ五つの常識」を大研究する!
第3章 お客がしゃべりたくなる会社、無視する会社
第4章 あなたの会社で、口コミをコントロールするには
第5章 口コミを伝染させ、売上アップも同時に実現する5ステップ・プログラム

 

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【レビュー】絶対断られない営業 松本喜久

営業は愛嬌が命

 

営業コンサルタント松本喜久さんの本、絶対断られない営業を読んでみた。松本さんは百貨店の外商からキャリアを初めて、メーカーの営業など、勤務した5社でトップに立った伝説の営業マンで、現在は営業コンサルティングの会社を経営されている方だとのこと。


この本、タイトルはちょっとやりすぎだと思うけど、中身は至極まっとうな営業論だった。



断られる確率を減らし、最終的に受注までつなげるために、どのような心持ちでどんな準備をしてお客様に相対するべきなのか、著者の長年の営業経験から編み出されたメソッドが参考になった。

 

勿論著者とて絶対断られないわけではないだろう。

 

何度も断られても、お客様に気に入ってもらい継続的にお会いし、然るべきタイミングで売る。そういった状況を作ることが大事、というのが著者の述べられたいことなのだと思う。

 

私がチェックしたのはこんなところ。

 

P22

このメソッドの極意とは、さまざまなお客様の課題を解決できる商品やサービスをピンポイントでご提案すると同時に、お客様に「逃げる」スキを与えない、ということです。

 

→ふむふむなるほど。”逃げるスキを与えない”あたりに営業ノウハウがありそうですね。

 

P29

(テレアポ時)具体的なファーストアプローチとしては、必要ななときには「いつでも断っていただいてけっこうです」という一言を出すのです。

 

→まずハードルを下げて会ってもらうことを重視したアプローチだとのこと。

 

P37

私は商談を必ずよいものにしようという緊張感を毎回抱えて、松本式メソッドをフル活用しているのです。それが「断られない営業」の極意と言えましょう。

 

→ここが同書で一番読み込みたいところだと思う。緊張感の中でお客さんとどう断られない関係を作るのか、非常に興味深い。



この他、資料の作り方、プレゼンの仕方、リストの作り方、フォローの仕方、普段しておくべき心がけ等々実践的で参考になった。



著者が本文中で述べられているようにできる営業になると、見える景色が変わる、というのはその通りなんだろうと思う。では、できる営業になるにはどうしたらいいのか?この本ではそのヒントを提供してくれそう。



若手で、これからバンバンやってゆきたい方など、一度手にとって見るといいのでは?と思える一冊です。

 

*著者の考え方を知るのに、こちらの著者のブログも参考になりそうです。

ベストインプレ・コンサルティング社長の本気ブログ

-この記事(仕組み効率化よりも大事な事)なんかが 著者の考え方を読み取るのに良さそうです。

 


絶対断られない営業

→なお、紛らわしいですが、当ブログでは一生断られない営業法という本も取り上げています。

 

次はこちらもどうぞ

テレアポ本ランキング ベスト16冊

 

【レビュー】村西とおるの営業術を学べ 禁断の説得術 応酬話法

書店の新書コーナーで手に取ったこの本、村西とおる 禁断の説得術応酬話法(副題は-「ノー」と言わせないテクニック)。

 

 

一言で言うと大変興味深く読めた。営業本としても秀逸だった。

 

村西とおると聞くと特に男性はにやにやしてくる人も多いのでは?

 

村西さんは高校を出て上京しバー勤めの後に英語の百科事典のトップセールスマンとなり、その後いくつかのビジネスを経験してAVビジネスで一時代を築き「帝王」と言われた人だ。その後衛星放送ビジネスで失敗して負債を変えるも見事に完済して現代に至っているとのこと。

 

・5000万円の借金を返せず死にそうになったけど、なんとか切り抜けた話

 

・百科事典販売のエピソード

 

・AV監督として多数の女優を口説いてAVに出演させ、AVビジネスを成功させたエピソード

 

そのあたりの実体験を中心に、波瀾万丈の人生の中で身に付けた営業手法をオモシロ話とともに惜しみなく公開している。

 

タイトル中の応酬話法とは以下のようなものだとのこと。

 

応酬話法とはお客様から投げかけられる疑問・質問・反論に応えるためのセールストークのことです。お客様の反応には一定の型があり、その型ごとに答えを用意するのです。誤解されやすいのですが、けっしてお客様を論破するものではありません。むしろ、お客様に自然に納得していただく「ノー」と言わせない説得術です。

 

応酬話法は分解すると以下のようなものからなる。

  • 質問話法・・・質問によって本音を炙り出す
  • 間接話法・・・最初に肯定してからソフトに否定していく
  • 繰り返し話法・・・相手の言葉を送り返して悪い感情を緩和する
  • 実例話法・・・具体例を示すことで説得力・親近感・安心感が増す
  • 聞き流し話法・・・論争を避け、自分のペースに持ち込む

 

村西さんはこうした応酬話法を駆使してビジネスで成功を収めたり人生の難局を回避したりすることができてきたのだとのこと。

 

百科事典のセールスで身に付けたセールス手法がAVビジネスで役立ったという流れがとても面白かった。

 

人の心への寄り添い方・人の心の動かし方が分かってるからこそAVで世の中の男を動かすことができたのだろうと思われた。

 

 

これ以外にも著者の人生についての考え方も一読の価値ありだ。七転び八起きの精神はさすがだった。

 

個人的にはここで習った応酬話法を参考に、会社内での対応などもうまくやってゆかねばと思った次第。

 

今日の一文(応酬話法について)

いかに時代が変わろうとも、長い訪問販売で培われてきたノーハウはそれだけで普遍性を持っているのです。それは単にお客様にものを売るテクニックであるばかりではなくいかにお客様に愛されるかというセールスマンのあるべき道標を示しているからです。

 

  

禁断の説得術 応酬話法目次
序章 応酬話法とは何か
第1章 質問話法―質問によって本音を炙り出す
第2章 間接否定話法―最初に肯定してから、ソフトに否定していく
第3章 繰り返し話法―相手の言葉を繰り返して、悪感情を緩和する
第4章 実例話法―具体例を示すことで、説得力・親近感・安心感が増す
第5章 聞き流し話法―論争を避け、自分のペースに持ち込む
第6章 大失敗
終章 自分を識る

 

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【レビュー】成功はゴミ箱の中に レイ・ロック自伝

ちょっと時間がかかりましたが、成功はゴミ箱の中に レイ・ロック自伝(プレジデント社)を読みました。

 


成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)


読後感としては、巷にある成功者の本とそんなに変わらない、というのが正直な印象でしたが、どうやってあのマクドナルドが作られたか、がよく分かって、面白かったです。

 

中でも、一番驚いたのは、筆者が、営業マンから転身して52歳からこのビジネスを始めたという事実ですね。

 

本の終わりの方で、解説を加えているユニクロの柳井さんもおっしゃってますが、52歳からこうしたビジネスをはじめようという考え方は、アメリカンドリームを生む、アメリカ社会の進取の気性がよく分かりますね。

 

 

人間何歳からでも再スタートできる、というような意味で非常に励みになります。

 

 

本書のそこそこにもあるのですが、レイロックに学ぶべきところは絶対成功させるという信念みたいなものの強さだと思います。

 

成功した起業家に共通して言えるのでしょうが、やり遂げる意思の強さが、成功に一番大切な要素なんですよね(これは起業家を営業と言い換えてもおかしくはないと思われます。)。

 

口で言うのは簡単ですが、なかなか信念と向き合って継続していくのは難しいことだと日々実感しています。「成功はゴミ箱の中に」という本書の題名ではないですが、

 

 そのくらい、骨の髄にまでいきわたるぐらい強い意志を持つ、そんな状況を日々継続できるようにしたいとあらためて頭に刻み込んでおります。

 

 

そして、チャンスを逃さない、ということも大事な要素なんですね。これについては、この本の第一章で、レイロック自身が述べていることです(ユニクロの柳井さんは、「成功者とは、失敗を体験して、それでいて楽観的に前進できる人」p362と語っています。)。

 

さて、実は私は大学の3・4年次に約8ヶ月ぐらい、マクドナルドでアルバイトをした経験があります。

 

大学で準硬式野球という部活に所属していたため、それまでのバイトは時間に融通が効く塾の先生や家庭教師のようなものだけ、社会人になる前に一度毛色の違うバイトもしておきたい、などと考えたのがおおよそのきっかけでした(その他色んな思惑もありましたが、、、)。

 

そこで、実際ハンバーグを作ってみて、実際の作り方から、給料体系、昼の忙しい時間の人の配置、徹底した在庫管理等々、マニュアルとは言え、そのオペレーションのしっかりしたさまに、「こういうものなのかー」とちょっと大げさに言えば感動した経験がありました。

 

 この本は、その経験があるだけに一層興味深く読めました。フライドポテトは最初どう作られていたのか、ハンバーガーに使われるパン(たしか”バンズ”)は?、店舗の立地は?、他の店舗との関係は?そんなことです。

 

 さて、レイロックという人ですが、ビジネスのすすめ方等には好感が持てましたが、私生活は???と思ったのは私だけでしょうか?2度の離婚は、本文からは結構勝手な風にも思えました。

 

 お金で解決しているような、、、

 

 

ユニクロの柳井さんは、レイロックについて、「わざと悪人づらする」というようなことを述べていますが、私は、ビジネスをやりつつ家庭を犠牲にするのではなく、両立できるように頑張りたい、と思いました(笑)

 

この本ですが、巻末にあるソフトバンクの孫さんとユニクロの柳井さんの対談、

 

 その後のユニクロの柳井さんの解説は秀逸です。

 

たとえば、孫さんがまだ高校を中退して、アメリカに行って夏休みに日本に帰ってきた時に、『ユダヤの商法』を書いたマクドナルド日本法人前会長の藤田田さんに無理やりアポを取った話や、ユニクロの柳井さんが失敗(海外展開・野菜販売)をどう捉え、今後に生かそうとしているか、といった話は非常に参考になります。

 

藤田 田
起業戦争の極意―ユダヤの商法

 

ここだけでも、読み返す価値のある本だと思いました。

 

 長いですが、意外とすらすら読める本です。また、ゆっくりと読み返してみたいと思います。最後に、この本の最後の方に出てくるレイ・ロックの言葉を(p321)。

 

やり遂げろ-この世界で継続ほど価値のあるものはない。才能は違う-才能があっても失敗している人はたくさんいる。

 

天才も違う-恵まれなかった天才は、ことわざになるほどこの世にいる。

 

教育も違う。-世界には教育を受けた落伍者があふれている。信念と継続だけが全能である。 

 

 

 


 

 

【レビュー】人生に奇跡を起こす営業のやり方 田村潤・田口佳史

東洋思想

営業で人間的な幸せを手にれるとは?

 

有名な営業本『キリンビール高知支店の奇跡』の著者田村潤さんと東洋思想家田口佳史さんの対談本。

 

以前から『キリンビール高知支店の奇跡』は営業本の中でも非常に売れ行きがよく、Amazonでの評価も高いことから興味を持っていて、いつか手に取りたいと考えていたのだが、ソーシャルメディアで、新刊本としてこの本の告知を見つけて思わず買ってしまった。

 

本の内容としては、田村氏が主導したキリンビール高知支店の奇跡がなぜ起きたのか、東洋思想の視点を入れて言語化し、その秘密に迫るというものと言っていい。

 

その追求の中で、営業とは何か、どうしたら営業をうまく進めることができるのか、営業を超えた人生への影響は何か、その秘訣が語られている(田口さんの言葉を借りれば、「営業という仕事が、なぜ人間的な成長や幸福をもたらすのか」について語られている。)。

 

営業を“修行”として捉えるなど、少し精神的な部分に踏み込む内容もあるが、営業度絵成果を出すためであったり、幸せな人生を送るためにはどんな心で当たればよいのかが書かれており、ためになる。

 

営業で成果が出ていない人や営業チームを率いるマネージャーさんなどに読んでもらいたいし、営業から離れた人にとっても道を極めるには、というような観点からかなり参考になるのでは?と思う。



以下、印象に残った文章を少々抜き出す。

 

P61-62 田村さん
「気を合わせる」ことは「迎合」ではない。迎合というのは、自分がそんな要素をまったく持っていないのに嫌々合わせること。そうではなくて、自分が持っている多様なものを柔軟に使って、相手と気を合わせるのです。
・・・
世の中には多様な考え方や価値観があることを知っておいて、お客様に合わせ、上司に合わせれば、苦手な人がいなくなるのですから、むしろ自分が自由になれるのです。

 

p12 田口さん

・・・実は営業ほど「人間的な幸せ」「人間としての成長」を得られる仕事もないのです。これは営業という仕事が、人を相手にするものであると同時に、何より、「自分自身を相手にする仕事」だからだと思います。

 

P71 田口さん
主観ばかりで見てしまうと、自分の都合のいいようにしか見ない。それに対して信頼できる人に相談し、自分でも深く考え、客観視できるようになると、視野が広くなる。すると袋小路に入らず、自由になれる。

 

 

P95 田村さん

社内を説得する突破口は「社の共通の基盤」にある・・・社内で何かを説得する場合には、そのような「共通の基盤」をベースに置けば、みんなの理解を得やすいことは間違いない。

 

P102 田口さん

どういう職業であれ、やはり普遍性のある部分、「根本」というべきものがあるのです。それが何かといえば、なんといっても「利他」です。「どうすればお客様に喜んでいただけるのか」ということ。

 

P109 田村さん

営業も、自分の足で立つためには、「自責」でなければいけません。責任を持たないといけません。

 

P200  田口さん

・・・私は、営業という仕事は、「悟り」にさえ至ることができる仕事だと思っています。私にいわせれば、日々の営業が修行になる。営業をすることで、悟りの境地に至って、幸せになれる。

 

東洋思想の入門的な内容も多く、東洋思想にも少しばかり興味が湧いてきた次第(ちょっとうがった見方をすると、営業マン向け東洋思想入門書なのかもしれない。)。

 

*長谷川さんが最近光文社新書から出しているぶれない軸をつくる東洋思想の力という本を枝廣さんという人と共著で出していて、それを書店で見つけて買ってしまった。機会があればレビューしてみたい。

 

※読んでみました。私自身、東洋思想に詳しいわけでもないのですが、今まで生きてきた経験に照らして、含蓄のある内容で非常に参考になりました。今後も未読したい一冊でした。

 

自分の営業活動を大きな視点から捉え直すことができる本だと思う。重要な営業コレクションとして継続的に読み返すことにする。

 

【要約】仕事の思想 田坂広志

なぜ働くのかという問いが気になったら手に取りたい本

久しぶりの更新となりました。

さて、最近騒がしいですが、こんな時こそ静かに思いをめぐらすことが必要、ということで、この頃読んだ本。仕事の思想 田坂広志著を読んでみました。



先日読んだ営業力という本が、営業についてなかなか考えさせられることが多くていい本だったので、横展開してみました。

過去エントリー:

www.hon-mode.com

 

この”仕事の思想”も負けず劣らずいい本。いろんな所に、珠玉の言葉がちりばめられていました。

簡単に抜粋してみると、、、

 

・仕事の報酬は成長である(p61)

人間として成長すると、こころの世界が見えてくるようになる(p62)

 

・夢を語り、目標を定めることが、人間が成長していくための最も大切な方法であり、 最高の方法なのです。(p72)

 

・(こちらの提案に対してほとんど反応せず、「黙って去る顧客」の発する)「無言のメッセージ」を聞くためには、何よりも、細やかな気配りや繊細な感受性、さらには鋭い直観力や深い洞察力など、人間としての高度な能力が求められる

・・・そうした高度な能力を身につけるためには、たとえば、一回一回の顧客への営業において、その場に全身全霊で参入する修練が求められます。(p113)

 

・私たちのなかの成長への願いが強ければ強いほど、顧客という存在は、ますます澄みきった「鏡」として、私たちの心の姿勢を、ありのまま映し出してくれるのです。そして、私たちの成長する姿を、ありのままに映し出してくれるのです。(p114)

 

・「人間学」の学びも「人間力」の修練も、現実の生活の場と仕事の場にこそ、最高の学びがあり、最高の修練があるということです。(p143)

 

・(若いビジネスマンに向けて)組織の末端で苦労されているこの時代こそが、皆さんにとって最も大切な「人間学」の学びの時代なのです。

 

そして、そうした時代に「人間」というものについて何を学んだかということが、皆さんがある年齢を超えてからの成長を、大きく左右してしまうのです。(p156)

 

・きわめて高度な精神的能力である「人間力」を高めようと思うならば、やはり、ある人間と真剣に正対し、その人間の精神と格闘し、その精神の緊張が生み出す苦痛と戦いながら、自分の精神の限界に挑戦しなければなりません。(p160)

  相手の「こころ」と正対するという修練をしないかぎり、私たちは、決して、「人間力」という力量をみにつけていくことはできないでしょう。(P163)

・マネージャーが思い荷物を背負うのは、部下の成長のための自己犠牲ではありません。部下の成長を支えることを通じて、何よりも、自分自身が大きく成長していけるからであり、それは、誰よりも、自分自身のためなのです。

他人の人生に責任を持つ者が、最も成長できる。・・・(p190)

 

「仕事の報酬は、人間的な成長である。」という考え方。ともすると、金銭的なところにばっかり気になって、隣の芝生が青く見えてしまうこともありますが、人間的な成長という観点から、自分の仕事を見直してみることも大切だなーと思いました。

ちょっと堅い話ですが、やはり人間力を磨くことが大切。小手先の技術よりもまずはそれが大事ですよね。。。 心に響く言葉が多く、考えさせられ、とてもよかったです。静かに読み込んでゆきたい一冊です。

2020.0531
最近当サイトでこの本の検索が増えたので改めて手にとってみました。

ぱらぱらっとめくっていたのですが、改めて以下の「成長の方法 という部分が心に残っ た次第です、 。人々を分ける「成長の方法」とは何か?について語った部分ですが、

「夢を語り、目標を定めることが、人間が成長していくための最も大切な方法であり最高の方法」であると語られています。

この部分も含めて、総じて著者の人生経験をふまえ、ロングスパンの 視野で深い知恵が語られていて、若い世代〜私ぐらいの年代までのビジネスマンにとって仕事にどう取り組むかという観点で考えさせられることが多いのでは?と思います。

私もアフターコロナの働き方を考える上でも参考にしてゆきたいと思います。


仕事の思想目次
はじめに なぜ我々は働くのか
第1話 思想/現実に流されないための錨
第2話 成長/決して失われることのない報酬
第3話 目標/成長していくための最高の方法
第4話 顧客/こころの姿勢を映し出す鏡
第5話 共感/相手の真実を感じとる力量
第6話 格闘/人間力を磨くための唯一の道
第7話 地位/部下の人生に責任を持つ覚悟
第8話 友人/頂上での再会を約束した人々
第9話 仲間/仕事が残すもうひとつの作品
第10話 未来/後生を待ちて今日の務めを果たすとき


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